《国立科学博物館 3万年前航海プロジェクト HPより》
3万年以上も昔、日本人はどこからどうやって海を越えてやって来たのか。国立科学博物館の実験航海プロジェクトが始まっている。
杉の丸木舟で男女5人のクルーが台湾東海岸から徹夜で漕ぎ続け、計画では今晩か明日(7/9)、与那国島に着く予定だ。
直線200Km。秒速1~2mの黒潮に流されず、“3度目の正直”となるか。昨年の4月に台湾一周自転車旅で台東の不思議な亀甲模様の波を観ていたことがあった。
人類史では化石、地層、道具、遺跡、遺伝子解析などの知見を総動員して「事実」は把握出来ても、では「何故そうなのか。」となると途端に立ち止まってしまうことが多いのだという。
黒潮に逆流して二度と帰れない旅に後期旧石器人は何故出たのか。
日本で人口が増えたのだから男女の旅であり、なおかつ台湾から与那国島は水平線の下にあって見えない。流されたのであれば与那国、沖縄には着かないという。どのような航海術を持っていたのだろうか。
謎は多いが、「旅の困難さ」は分かるのではないか。国立科学博物館の海部陽介・人類史研究グループ長は実験航海のきっかけをそう語っている。
何かヒントが捕まえられて「何故?」が少し分かった方がいいのか、分からないままロマンとして残った方がいいのか。航海だけは無事成功して欲しい。
《2018.4 台湾一周自転車旅 台東の海岸》