1996年に日本人で初めてツール・ド・フランスに出場した今中大介氏がプロのロードレーサーは歩くのが苦手ということを本に書いていた。
3週間に亘って、3,000Kmをアルプスを越え、ピレネーを越えて走る強靱な体力の持ち主にして2Kmくらいしか歩けない選手もいるらしい。
使う筋肉が違うということだ。
先日、下関から舞鶴まで700Kmを2週間の自転車旅をして帰宅した時のこと。
妻の買い物に付いて近くのスーパーへ向かっていると足の運びにぎこちなさがある。
手の振り、上体の揺れなど身体全体のバランスも悪い。
そうか、これが今中氏の言っていたことかと理解出来た。
7時前に出発し、6~7時間くらい自転車に乗り、夕方にテントを張って午後8時には寝てしまう。
毎日この繰り返し。
歩くのはコンビニへの出入りとテントの周辺、それに炊事場とトイレだけだった。
舞鶴から小樽までの一昼夜のフェリーの中でも歩くことは殆ど無し。
多少の揺れがあるので歩きの違和感に気付かなかった。
2週間が経って元に戻ったが、昨年の津軽半島・龍飛崎から新潟までの旅では感じなかったことにトシを感じる。
道中二人の〝歩きの旅人〟に出会ったが、歩くということは二足歩行のヒトにとってとても基本的な体力、脳のバランス機能を使うということだ。
大事にしたい。
《日本縦断歩き旅の青年 2022.7.22 長門→萩 にて》
私は8/3に舞鶴からフェリーで帰宅した後、19日から23日まで妻と京都に出かけていまして、返信が遅れて済みません。
意識、幻覚、クオリアなど、体験に基づく興味深いBlogは読み応えがありました。
ヒトは結局、分子の絶え間ない〝生成と消滅〟という連続する変化によって生きているという生物学者の福島伸一氏の「動的平衡」の考え方に通じるように思いました。素晴らしい境地を経験されたと思います。
「旅」は生命体を揺すりますね。