酷い話だ。
NHK WEBによれば、安倍首相はフランスでのトランプとの会談でトウモロコシの輸入を決めた。
250万トン。これは年間輸入量の3カ月分に相当し、進行中の日米貿易交渉とは別のものとして民間が害虫対策で行うという。
そうだとすればおかしい。
年間輸入量の3カ月分という量が害虫対策であるなら既に報道されていて、何も日米首脳会談で急に話が出て決まることではない。
そもそも国内生産のトウモロコシは茹でて食べる生食用であり輸入品で代替えされるものではない。
トウモロコシの国内流通は複雑に統制されている。
生食用は鮮度と風味が命なので全て国産。デンプン用は遺伝子組み換えされていないものが粉状の「コーンスターチ」の形状で輸入される。
輸入の大半は家畜の飼料用。これは遺伝子組み換えされたものもあるので、食用に転用されないよう実を加熱して圧ぺんにしたり、砕いたりして流通する。
250万トンの内訳は分からないが、多分、飼料用と思われる。
配合飼料メーカーは飼料需給動向、為替レート、海外の作柄などを勘案して輸入量を決めている。
これからメーカー対策として、輸入費用、加工処理費用、飼料価格調整費用などが国民の負担として新たに必要になる。
そしていつの間にか農業関係者は対策費を巡る駆け引きに巻き込まれ政治決着する。
莫大な買い物が説明も無いまま海外で決ってゆくが、国民が頼る国会と報道が心許ない。まさに国難だ。