早大時代からジャズ評論を書き、その後、『11PM』、『クイズダービー』、『世界まるごとHOWマッチ』といったユニークな番組の司会者としてもマルチタレントぶりを発揮し、一時は民主党から政界にも進出した大橋巨泉氏。2016年7月12日に82才で亡くなった。
その直前まで「週刊現代」に連載していたコラムはまさに『遺言』として書かれた。
このことを当時の新聞コラムで読んで、「ハッパフミフミ」・・セミリタイアし、海外で優雅な生活を送るちよっとおちゃらけなオヤジという持っていたイメージがその時反転した。
■今のボクにはこれ以上の体力も気力もありません。だが今も恐ろしい事や情けない事、恥知らずな事が連日報道されている。書きたい事や言いたい事は山ほどあるのだが、許して下さい。しかしこのままでは死んでも死にきれないので、最後の遺言として一つだけは書いておきたい。安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい。7月の参院選挙、野党に投票して下さい。最後のお願いです。(最終回 2017年7月9月号)
■“経済”とか“景気”とかいうものは、あくまで人気(支持率)を高めるための道具であり、本当の目的は教育と憲法を変えて、「強い日本」をつくる事なのである。この鎧を衣の下に隠した、安倍晋三は恐ろしい男なのだ〉(2013年6月22日号)
最近は外交が「道具」として使われている。読み返して安倍政治を見事に喝破していたことに驚く。
そして、最も恐ろしいこと。それはJR札幌駅前の道警の行動。まさか・・と思っていることが次々に起きている。
最終稿は意識が途切れがちになっていた時に親族の協力を得て書かれた。命を振り絞って発信した安倍政権批判のメッセージを読み返して期日前投票を済ませた。
歴史は曲げることの出来ない事実、それを自分の都合に合わせる政治家たち・・・更にそれに投票する有権者、困ったものです。