石破茂が〝防衛オタク〟と言われ始めている頃、かなり昔のこと、『国防』という著書を読んだことがあった。
ひとつだけ覚えているのは、自衛隊の装備はあくまで〝防衛〟のためのものであり、敵を〝攻撃〟するものは許されていないというものだった。
「戦闘機に敵基地を攻撃できるミサイルは装填されていない。」。
自衛隊は軍ではないので日本に軍事法廷は無く、万が一の時、通常法で裁かれ、現場の自衛官は「殺人罪」に問われるとのことも書かれていたと記憶する。
防衛オタクと言われる人は「専守防衛」から逸脱した認識、考え方であることを知った。
時は経って、今では現憲法下でも〝敵基地攻撃〟を許容する安全保障政策が閣議決定だけで決まっている。
石破内閣が発足した。
早速、〝アジア版NATO〟を言い出した。〝核共有〟の考えもあるという。
閣内には、本人も含めて元防衛大臣が3人もいる。中谷防衛大臣、岩屋外務大臣。党には小野寺政調会長。人の繋がりが狭いからとは言ってられない。
何を進めようとしているのか、注視しなくてはならない。
「信頼と共感」の内閣だと言うが、ブラックジョークのようないきなり解散によって、国会論戦は行われ無さそうだ。
日本の防衛費は、従来の5年間の総額27兆円を今後5年間で約1.6倍の43兆円に増加することは既に路線が敷かれている。
それもダメ、あれもダメと財務省と自民党に羽交い絞めにされた首相が向かうのは枠組みが決まっている得意分野の防衛政策ではないか。
総選挙の結果がどうなるか不確定だが、耳障りのいい政策で鎧を隠してはいないか。よくよく注意していないと〝軍事内閣〟になりかねないと危惧している
野田立憲民主党は敵基地攻撃を可能にする今の防衛政策を急に変更することは出来ないと消極的なのは心もとない。
石破茂。買い被りではないか。
掌返し首相によってこの先キナ臭いことになるような気がしてならない。
全ては国民に委ねられた。