Dr. Mori Without Borders / Mori-san Sans Frontieres

森 一仁が医学・国際政治経済金融・人文教養教育など関心問題を国際的・学際的に考える。

日本の「イルカ食」を巡る世界市民と言論① 食文化批判と反日運動

2007-03-30 02:19:55 | 応用生命医科学:栄養・食糧農業・環境生理
先日、日本人はイルカを食べる残虐な国民であるとして、世界中からの本邦・日本国に対する非難、侮辱と誹謗及び中傷の数々に非常に憤りを感じた私ですが、事実から言えば私達はイルカを食しているとの事でした。しかしイルカ問題と併せてクジラ問題が、また関係の無い問題が取り上げられさらには英語で最大級の侮辱を本邦国民に対して浴びせられた事に鑑みて、何とか拙い英語で反論を試みたのです。これは自ら敵陣に突撃してしまった浅はかな暴挙である事は重々承知であります。

<イルカ食問題のキャンペーン性>
事の発端はこうです。「日本におけるイルカ虐殺」と称したビデオがいま流行のYOUTUBEで放映されていました。しかもビデオは一本や二本ではなく、同じビデオを同じタイトルで何本もアップデートしてあるなど、明らかにキャンペーン性の強い提示の仕方でありました。(*これについては以後の調査対象とします。) 従軍慰安婦問題や南京大虐殺問題と併せて、これらの問題が急速にクローズアップされているこんにち、反日キャンペーンでないか調べてみる事は本邦の市民にとって急務であると言えましょう。日本国内の感覚とは異なり、国際社会ではずっと黙っていると尻馬に乗って茶化す連中が増え、問題はエスカレートします。

YOUTUBEでは各自がビデオをアップデートでき、またビデオに対するコメントをテキストで、そしてビデオレター形式で表現できます。ここまでは非常に民主的でよろしいと思います。誰もが常識の範囲内で言論と思想、表現の自由を持っている事は確かでしょう。しかしながら種々の問題が伏在していました。まず私の第一言語である日本語で整理してみたいと思います。

<イルカ食文化の存在>
まずはイルカを本当に食するのかどうか。これは友人が食した事実を語ってくれました。東北の一部と静岡のごく一部でイルカ食文化が存在するとのこと。ここでの問題は日本人全体がイルカを食すると一般化されるのは誤解だと言う事です。(事実、日本人全体に向けて、「お前ら(日本人全体)はイルカを食する。現実を直視せよ」とのコメントに引き続いて脳無しだの何だのとのコメントが続くものあり。)私は30年以上日本人をやっていますが、未だにイルカを食べた事がない。日本人が皆イルカを食べているとされることは問題です。

<イルカ食考/食文化の多様性>
ではイルカを食する行為は残虐かどうか。私達は日常でウシ・ウマ・ヒツジ・ブタ・トリ・イノシシ・シカ・ウサギをはじめとして昆虫なども含めて陸上系の動物と、サカナ・エビ・イカ・タコ・カニなどの海産物を食すると考えてよいかと思います。私達はクジラを食べたり、ウサギを食べたり、実に多種多様な動物を食べて活かされています。動物が植物によって生かされるように、私達人間も多様な動物を食べて活かされています。最近の私は菜食を中心とした食生活ですが、肉食文化を否定しません。VEGETATIONと言いますか、地理的環境条件などにより野菜の育たないやせた土地や農業に適さない温度条件下などでは、肉食が唯一の栄養摂取手段となる場合もあるからです。肉食が可能であれば、ことさらにウサギは良くてイルカは駄目とかサルは駄目でウシはよろしいとは言えないと思います。 [続く]

最新の画像もっと見る