Dr. Mori Without Borders / Mori-san Sans Frontieres

森 一仁が医学・国際政治経済金融・人文教養教育など関心問題を国際的・学際的に考える。

理系離れを防ぎたい ~科学技術立国・日本~

2008-02-03 01:56:07 | 人間発達論:言語・外国語・高等教育
理系離れ等と言われて久しいが、日本の数学・物理・化学・生物の教科書はなぜあんなに難解な記述なのか。事実を抽象的に書いた後は、事実の間を埋めるロジックが乏しいような気がしてならない。超天才学生であれば事実をつなぐロジックを発見できるかも知れないが、一般学生には教科書が難解過ぎて手に負えないこととなる。

このロジックを埋めるのが予備校等が発行する参考書の類だ。数式やグラフの意味はもちろん、科学史上の発見なども書いてあってちょっとした教養書の部類に入ると思う。英米の教科書を読むと物理学でも化学でも無知な人間が段階を追ってついていけば何とかロジックを追えるようには出来ている。個々の記述も平易であり、著者のくせは出るものの、まったく取りつく島が無い状態にはならない。

日本は資源が少ない国である。諸外国とまともに勝負するとしたら優秀な科学者や技術者を揃えて知的財産をもって外貨を稼ぐしかない。外国の論文に投稿をすると剽窃をされる恐れがあるので、国内で質の高い欧語論文を発表できるような体制づくりと同時に産業保護と知的所有権の保護や国際特許を手厚く保護してやる必要がある。そして何より国を挙げて情報管理を徹底する事、これにより諸外国の産業スパイや軍事スパイが跳梁跋扈している現状を刷新して、国内産業の企業秘密が漏れないよう、また民生技術が他国の軍事技術に転用されないようにする必要があるだろう。

自然科学教育の基礎にわかりやすい教科書あり。分かりやすい教科書があれば学生は自主的に勉強が続けられる。自然科学のよいところは、世界で通用する知識であると言う事だ。漫画の「サザエさん」で外国旅行に行ったサザエさんがレストランで水を頼んだ時に書いた言葉が「H2O」だったと思うが、これぞ自然科学の強みである。フィンランドに見習う所も多いのだろう。またイギリスやドイツ、アメリカなど先進諸国にも良い所がまだまだある。教科書の分かりやすさの追求から始めないと、理系離れはいよいよ深刻になり、亡国は近いだろう。

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