ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「琥珀の夏」

2023-03-10 23:03:43 | 

 

「琥珀の夏」 辻村深月 文藝春秋 2021.6.10

 

ようやく回ってきた😅

辻村深月さんも人気者だ。

 

かつてカルト集団として批判された団体の敷地からこどもの白骨が発見された。

弁護士の法子は、遺体は自分の知る少女ではないかと胸騒ぎを覚える。

三十年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と隠された罪があふれだすーー。

 

P311

「子どもの教育に熱心になるには、三つのものがないといけないんです」

「金があること、暇があること、熱意があること。ーーそういう女性が〈ミライの学校〉の存在を知ったとします。(略)家族を守る妻がまず思想にかぶれるんです。しかも、子どもや社会のために、もっと何かできることはないかと考えるそういう女性たちは、学歴があったり、真面目な人が多い。その真面目さが厄介なわけですが」

 

P319

「成長してから〈ミライの学校〉を恨もうと思っても、それができない。あそこがなければ両親が出会うこともなく、自分が生まれることもなかったからです。あそこを否定することは、自分の存在を否定することと一緒になってしまう」

 

P320

「子どもが一番、自分の方を向いてほしいと思っている時に、親が、子どもにはわからない遠い思想に夢中なのでは本末転倒ではありませんか。世界平和について祈ることができても、傍らにいる子どもの幸せを祈れないということになってしまう」

 

子どもは、親が信じている宗教の影響から逃れることができない。

宗教のみならず、経済的なことや、考え方・生き方も……。

親ガチャという言葉を思い浮かべてしまった。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「マイクロスパイ・アンサンブル」

2023-03-07 21:11:23 | 

 

「マイクロスパイ・アンサンブル」 伊坂幸太郎 幻冬舎 2022.4.25

 

何だかよくわからないけど、わかった気になる伊坂幸太郎ワールド。

 

長年付き合っていた彼女に振られた社会人一年生、

どこにも居場所がないいじめられっこ、

いつも謝ってばかりの頼りない上司……

だけも、今、見えていることだけが世界の全てじゃない。

知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられていたり……

 

猪苗代湖の音楽フェス「オハラ⭐ブレイク」で配布されていた小説。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「おもみいたします」

2023-03-03 14:59:49 | 

 

「おもみいたします」 あさのあつこ 徳間書店 2022.11.30

 

「乱鴉の空」に引き続き、あさのさんの作品。

本を開いた瞬間、あっ!明らかに文字が大きい!

行数を数えてみたら「乱鴉~」は18行、「おもみ~」は17行。

流石に一行の文字数までは数えなかった(笑)

 

人に揉み治療を施すのがお梅の生業。

身体と心の闇までほぐす。

 

P96

 お梅がわかっているのは、人はどれほどのものを手に入れても満たされないという事実だけだ。むしら、手に入れれば入れるだけ、己に欠けているもの、足らないもな、指の間から滑り落ちて、ついに手に入れられなかったものを求めてしまうのではないか。

 

P97 

我慢すること、耐えることを身上としてしまった者は厄介だ。外に発っし散らさないままだと、辛さや苦しさや痛みは膨れ、固まり、血や気の流れを妨げる。

(略)我慢、忍耐を美徳と信じて疑わない者も、美徳だと押し付ける者も厄介極まりない。人の心身がどういうものなのか、まるで解していないのだ。

 

(岡っ引き)仙五朗は言う。

「真っ当にしゃんと生きている者ってのは、どこかで誰かを支えてるもんでやすよ。当の本人が気が付いていなかてもね。逆さまに、真っ当でないやつってのは、どうしても他人を傷つけたり、不幸せにしてしまう。人ってのはそういう生き物じゃありやせんかね」

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「「人間革命」の黄昏」

2023-03-02 12:52:35 | 

 

「「人間革命」の黄昏ーー創価学会に踊った男の人生」 段 勲 花伝社 2022912.5

 

創立90年を迎えた創価学会。

「折伏大行進」、逃れられない「献金システム」、政権与党公明党への選挙活動、二世三世問題……

実態を内部から描く。

 

「洗脳」によって人はどう変わるのか。

集団就職で東京に出てきた若者が、創価学会と出会って入信。

活動にのめり込み、やがて燃え尽き、創価学会から離れるに至った人生とはーー。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする