ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「列」

2024-04-20 16:18:18 | 

 

「列」 中村文則 講談社 2023.10.3

 

ある動物の研究者である「私」は、いつのまにか「列」に並んでいたーー。

先が見えず、最後尾も見えない。

だれもが互いを疑い、ときに軽蔑し、羨んでいる。

 

あらゆるところに、ただ列が溢れているだけだ。

何かの競争や比較から離れれば、今度はゆとりや心の平安の、競争や比較が始まることになる。

私達はそうやって、互いを常に苦しめ続ける。

 

P24

自分の後ろには、大勢いて欲しい。まだこんなに、後ろに人がいると思いたかった。

自分が最後尾だら、と想像する。耐えられない。最後尾なら、列に並ぶ意味はない。後ろに人がいなければ、列に価値はない。

 

 

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