「たすけ鍼 天神参り」 山本一力 朝日新聞出版 2023.11.30
登場人物や設定に覚えがある。
(「たすけ鍼」)シリーズ、ということに、本を開いてから気づいた。
これは三作目。
「たすけ鍼 立夏の水菓子」という二作目があるようだ。
いまりは父・染谷に弟子入りする。
最初の指示は、武術を学ぶことだった。
「いやなことから、先に片付けよ」
「目の前の難儀を先延ばししてま、その難儀は時とともに大きくなる」
それどころか……
「いま片付ければ、なんとか始末できたことが、明日には手に負えぬほどに大きくなる」
小人は縁に気づかず。
中人は縁を活かせず。
大人は袖すり合う縁も縁とする。
「いつまでも、あると思うな親とカネ」
「ないと思うな、運(えにし)と災難」
「大事なえにしですが、無口です」
気づかなかったり、活かせなかったりで、失うと二度目はない。