ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「星屑」

2023-03-17 20:56:46 | 

 

「星屑」 村山由佳 幻冬舎 2022.7.10

 

芸能界かぁ。

興味がないジャンルの一つだからか、初めの数十ページに手間取ったか、そこを越えたらサクサク♪

 

田舎者のミチルと、サラブレッドの真由。

過酷な芸能界で、少女たちをスターダムに押し上げようとする女性マネージャーの前に壁が立ちはだかる。

 

大手芸能事務所「鳳プロ」のマネージャーながらも雑用ばかりでくさっていた桐絵は、博多のライブハウスで歌う14歳の娘・ミチルに惚れ込み、上京させる。鳳プロでは専務の娘・真由のデビューが決まっており、ミチルに芽はないはずだった。しかし彼女のまっすぐな情熱と声は周囲を動かしてゆく。

反りが合わずに喧嘩ばかりの二人。

妨害、挫折、出生の秘密、スキャンダル……その果てに少女たちが見るものはーー。

 

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「同志少女よ、敵を撃て」

2023-03-17 20:29:25 | 

 

「同志少女よ、敵を撃て」 逢坂冬馬 早川書房 2021.11.25

 

第11回アガサ・クリスティー賞を受賞したデビュー作。

2022年本屋大賞。

作者は1985年生まれ。

 

第二次世界大戦時、最前線の極限状態に放り込まれたソ連の女性狙撃手セラフィマの怒り、逡巡、悲しみ、慟哭、愛が手に取るように描かれ、戦争のリアルを戦慄とともに感じさせる。仇を取ることの意義を考えさせられ、戦争の理不尽さを重いしらされ、喪失感と絶望に襲われながらも、セラフィマとともに血なまぐさい戦場を駆け抜ける。

セラフィマの迷い、敵も味方もなく手当てをする看護師ターニャの信念、ドイツ人狙撃手を愛したサンドラ(略) 敵か味方か、白か黒かという単純な線引きを撹乱した無化し(略)

「敵を撃て」というその敵とは、いったい何者なのか。

 

  ーーby 沼野恭子(ロシア文学研究者)

 

セラフィマの母は言った。

「戦争は人殺しなのだから」

「戦争は男どもに任せておきなさい。あれは男が始めて、女はその陰で犠牲になるのよ」

 

オリガ(実は体制派だった)は言う。

「ウクライナがソヴィエト・ロシアにどんな扱いをされたか、知ってる?なんども飢饉に襲われたけれど、食糧を奪われ続け、何百万人も死んだ。たった二〇年前の話よ。その結果ウクライナ民族主義が台頭すれば、今度はウクライナ語をロシア語に編入しようとする。ソ連にとってのウクライナってなに?略奪すべき農地よ」

  ーー昔も今も変わらないーー

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