ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「隠居おてだま」

2024-03-17 07:26:23 | 

 

「隠居おてだま」 西條奈加 KADOKAWA 2023.5.31

 

読んでいない「隠居すごろく」の続編らしい。

 

老舗糸問屋・嶋屋元主人の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。

風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。

子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。

 

 ーーこのあたりまで前作かーー

 

商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。

やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合うか。

 

幼いときに家を出た母、

「おいら、母ちゃんの顔を忘れちまって……母ちゃんを思いだそうとしても、のっぺらぼうしか出てこなくて……」

「母ちゃんが家に来るようになって、(略)目の前にいるときは、母ちゃんてわかるんだ。でも、後で思い返そうとしても、やっぱり母ちゃんの顔だけ、のっぺらぼうのままで……」

 

小さいからこそ深手を負い、消えない傷となる。

切ないーー。

 

 

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