ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「真夜中の子供」

2019-02-26 08:53:48 | 

 

「真夜中の子供」 辻仁成 河出書房新社 2018.6.20

 

「真夜中」を生きる無戸籍の少年・蓮司。

喧騒と神事・山笠の熱気が包むこの街に、

少年は自分だけの王国をつくることを選ぶーー

 

よき理解者でテント暮らしの源太、心優しい客引き・井島、

お腹を満たしてくれるスナックのママや屋台の主人、憧れの山笠の重鎮・カエル、

兄のような存在の平治、警察官の響、そして中洲育ちの少女緋真(ひさな)ーー

土地と人とに育まれ、少年は強く成長していく。

 

なんだろう……

この、モヤモヤした、スッキリしない読後感は……

嫌な感じではないけれど。

 

完全に幼児虐待と言える両親でも、それしか知らない子供はそのまま受け入れる。

とんでもない環境に育ちながら、それなりにまっすぐで、

周りの人に恵まれる……

あり得ないような設定が、モヤモヤの一因かも。

 

陰湿な虐待がある家の中にいるよりも、

放任されて外をフラついている方が、周囲の大人の庇護を受けやすくなる、

というような……

 

ふと、『サラリーマン金太郎』が浮かんだ。

カエルさんや源太に、裏社会で莫大な勢力がある中村ばあさんが重なって。

そういえば、美鈴ママの雰囲気を持つクラブのママもいるし (笑)

 

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