ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「煽動者」

2017-01-30 19:10:52 | 

 

「煽動者」  ジェフリー・ディーヴァー

    文藝春秋  2016.10.15

 

原題は  Solitude  Creek

この題のままが、良かったような……。

 

今回はキャサリン・ダンス。

彼女は捜査で大きなミスを犯し、停職は辛うじて免れたものの、刑事のバッジと拳銃を取り上げられる。

 

そんなとき、満席のナイトクラブで、

将棋倒し事故が発生した。

きっかけは、かすかな煙の臭いだった。

火事だーー観客はそう気づくやいなやパニックに陥り、我先に出口へと押し寄せて、多数の死傷者が出る大惨事となった。

現場を訪れたキャサリンは、不可解な事実を発見し、これは不幸な事故ではなく、何者かが意図してパニックを煽動した事件だと確信する。

物証らしい物証がなく、なにより犯人の目的にまるで見当がつかない。

手も足も出せずにいる捜査陣を嘲笑うかのように、次々と事件が発生する。

 

パニックのさなかにある群衆の描写にゾゾッ!

 

ーー集団になると、人は別の生き物に変わる。人間ではなくなる。

ーーただの一人も、他人のことなど考えてはいない。人々は恐怖から理性を失った獣の群れと化していた。自分のことしか考えていない。自分が助かることだけを考えている。

ーー進む方向を、体の動きを、足を下ろす先を、自分ではコントロールできない。

 

因みに、キャサリンの車は

日産パスファインダー。

海外で販売されていて、

ティラノと同じようなSUVらしい。


指輪物語、ハリー・ポッターが一瞬登場 (笑)

セーラームーンとデスノートも。

あと、アナ雪は、何度か (^-^)v

 

日系の議員がつくった非営利法人が

コドクノオガワ有限責任会社。

つまり、原題の日本語。

 

彼は言う。

「日本語の"孤独"は、孤立、わびしさ、疎外といったニュアンスを持ちます。しかし英語の"ソリチュード"には、前向きなイメージ、再生のイメージがありますね」

 

いつもながらのどんでん返し。

そうきたか!

 

やはり、ディーヴァーは面白い。

 

 

 

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