「その話は今日はやめておきましょう」 井上荒野 毎日新聞出版 2018.5.15
趣味のクロスバイクを楽しみながら、
定年後の穏やかな日々を過ごす昌平とゆり子。
昌平が交通事故で骨折したり、
同年代の従兄弟が末期ガンになったり、
病気や老い、死を身近に感じるようになる。
そんな中で出会った青年・一樹に「家事手伝い」を依頼し、
彼が家に通って来るようになる。
息子のように頼もしく思っていたが……。
殆どの人が、老後に我が子の世話にはなりたくないと思っているだろう。
だが、思いがけない怪我や病気が、歳を重ねるにつれて多くなるのが現実だ。
そんなとき、頼れそうだと思える人が現れたら
成り行き次第では深く考えないで信用してしまうかもしれない。
心身ともにできるだけ健康でいたいと、
改めてしみじみ思った。