「教団X」 中村文則 集英社 2014.12.20
再読だ。
まだまだ図書館へのリクエストが廻ってる。
たまたま、所蔵館限定で早々と読めたのに、
リクエストをそのままにしておいたのだった。
読んだような、読んでないような……
そんな感じの再読。
如何に読み流しているかという証左(笑)
以下、引用。
前と同じ引用があるとしても、それはそれ、
ということで(^^;
人間は、自らの優位性を信じたくなる生物です。さらに人間は善悪を前提とする時、もっとも狂暴になれる。善意・正義を隠れ蓑に、自らの狂暴性を解放するのです。
思想は時に、その個人の全存在を拘束してしまうことがある。そういう思想に芯から飲み込まれてしまった人間は、感情で頭が硬化し、反対の思想をいくらぶつけられても、絶対に変わることがない。彼らを理論で、理性的に変えることはほぼ不可能である。その個人が変わる場合があるとすれば、それは別の感情によるものだ。強烈に動く別の体験があって初めて、その個人は思想から解放される。 (by ドストエフスキー『未成年』)
組織に忠実に行為をする人間も、組織に疑問を持ちながら、結局同じ行為をする人間も結果的に同じ。
混乱が続けば続くほど、大国達の軍需会社の利益率が上がる。そしてその各会社には関連企業が連なっていく。
役人を『処分』とニュースが出る時、まるでクビになった印象を世間は受けるが、口頭注意も『処分』だ。『懲戒処分』でも減給すらない場合もある。全く上手くできた言葉だよ。我々の役職はは代わるだろうが、給料も待遇も全て同じ。我々を否定する政治家が出現したらスキャンダルを手に入れ失墜させていく。……そして我々は結果的に国に借金をさせ暴利を貪りこの国を少しずつ滅ぼしていく。上手くいかなかったら我々は辞めればいいだけだから。政治家も金はあるからいつでも辞めればいいだけだから。
我々は、平和平和と連呼する、戦争を望む国々から煙たがられる存在になるべきです。
私達はあの戦死者達の命を思いながら、世界で戦争をなくそうと動く特殊な国になりたい。日本はそういう国になるべきなのです。大国の指導者達や一部の多国籍企業達は眉をひそめるでしょうが、世界の民衆達は絶大に事実をするでしょう。
カルト集団がテーマとはいえ、
国や世界を描いていたのだと改めて思う。