艦長日誌 補足(仮) 

タイトルは仮。そのときに思ったことを飲みながら書いたブログです。

Another One Bites The Dust

2008年12月25日 23時00分42秒 | 個人日誌
 クリスマスか~。
 「クリスマスの夜には、やっぱりローストチキンですよね」なんてチャンチャラおかしくて涙が出てくらぁ。もちろんケンタッキーなんてのもナシです。
 冷奴に塩ぽん酢をかけていただくのが、ドッピオ流。生姜を鰹節もたっぷり乗せてね。刻みネギがないのは買い忘れたんじゃあなくて、あえて、あえて買い忘れただけ。俺くらい人間ができていると、クリスマスも一人で過ごすね、誰にも連絡せずに、あえて。
 って、もう書いている側から寂しさ満開じゃあないですか。

 まぁ、俺くらいになればクリスマスの夜に、道ゆく女のコに目出し帽のまま声かけまくって、夜遊びしている小学生に石でも投げながら、買い物カゴを押したおばあさんの背中に乗っかって月に向かって吠えるくらいわけないよ。捕まるけど。

 あーあ、こんな夜に女のコから電話のひとつでもあれば、明日にはもうハネムーンの予定立てるのに。
 もてない男はつらいな。なぁ、シジマ。ポン(肩に手を置いた音)

 そうそう、このまえ誕生日だったんですよ、青年14歳の。
 いつの間にか僕も「波紋ッ!」「シーザーァッ!!」って叫んでいた若者から、「いかんぞ歯科医?入れ歯になってからとんと行かなくなったの~」ってくらいのハーミット・パープルなお年頃になりました。

 32から33ってのは。あまり変化ないな。
 29歳から30歳ってのは、なんか「もうこんな歳か~」って感慨深いものがあるかもしれないし(僕はないけど)、34から35もあるかもな。
 変わったほうがいいのか。変わらないほうがいいのか。あるがままでいればいいんじゃあないのって気もするし。
 あるがままの今が、どうなのさ?って疑問は置いといて。

 誕生日ってさ~、微妙じゃあない。特に男の誕生日って。
 べつに祝ってもらうほどのことでもねーっスよって感もあるし、そのくせ誰にも誰も気づかれないと、それはそれで寂しくなっちゃうような、めんどくさいな自分。ホントめんどくさいな自分。

 いろいろな方々から「おめでとうメール」をいただきました。ありがとうございます。
 このメール一通で、それぞれ一杯ずつ、みなさんのことを思い出して僕は寂しくなく飲めます。

 まぁ、僕くらいになると誕生日に一緒に過ごせる女性の一人や二人…もちろんいるわけありま

 
 (激しい「喜び」はいらない…その代わり深い「絶望」もない…「植物の心」のような人生を…そんな「平穏な生活」こそ、わたしの目標だったのに)

 そんなわけだから、誕生日ってのは普通でいいんです。普通が。
 劉備玄徳も言ってました。

 とうとう蜀を攻め取るということを劉備が決意したとき、龐統はこう献策します。
 「策は三つあります。どれでも我が君の意に召す計をおとりになれば良いでしょう。一つは、このまま一気に成都まで兵を進め、これを急襲、包囲し、劉璋に降伏を促す。これは必ず成就します。上策です」
 「なるほどに~」
 「二つ、一旦兵を荊州へ退くと偽り、陣を払ったかのように見せかけます。蜀の将は我が君が退くことを望んでいるのですから、喜びを隠しながらも惜別の挨拶とかなんとか行って送りにくるでしょう。そこを捕縛し、すぐさま兵を向け、関所を占領し、成都を攻める足がかりを作る。これ中策です」
 「うむー。で、もう一策とは?」
 「ひとまず兵を退き、白帝城に詰め、荊州の守りを固めた上で心静かに他日を期す。しかしこれは下策にすぎません」
 「下策は採りたくない。しかし、第一の策は性急すぎてもしも事しくじれば一敗地にまみれるだろう」
 「では、中策を?」
 「中庸。それはわたしの生活の信条でもある」

 仕事を終えて、クリスマス前で忘年会シーズンの街中を、ちょっと急ぎ足で通り過ぎて、電車に飛び乗る。
 僕は駅で待ち合わせて、混雑する改札前でボケ~っと時計を見上げて。
 僕は雨が降ってきたことに悪態をつきながらも、僕のために祝ってくれるひとがいたことを心のなかで喜んで。ホントは嬉しいって気持ちをうまく伝えたいのに、それができないから無表情の中に押し隠して。
 お店はどこもかしこも満員で、なかなかお入る場所も決まらない中、サッと入った居酒屋でビールを飲む。「かんぱ~い!」
 一緒にビールが飲めれば、それが一番幸せ。向かい合うカンジのテーブルじゃあなくて、お互い斜めに相手を見ることのできる形がいいね。
 なにを食べるか二人で「うむ~」って考えて、注文して食べて「おいしいおいしい」言って、なんでもないことに笑ったりして。
 「今日の服はかわいいな」ってことに気がついても、それを面と向かって褒めるのもなんだか恥ずかしくて。

 そんな日常が、一番いいんじゃあないでしょうか。
 例えば僕も、誰かの誕生日を祝うなら、できることなら特別感醸し出すような穴場的なお店で、なにかサプライズでも用意して、驚く顔も見てみたいと考えるけど、僕の場合その用意ばかりに気をとられて難しい顔をしてしまって、却って気を使わせてしまいそうだ。
 ほら、苦手じゃん、そういうの。むしろ僕のほうが。笑顔が見れればそれでいいし~って自分に言い訳して。

 今話したことを全部憶えていたいな~って思うけど、翌日「なんだかスゴク楽しかったけど、なに話したんだっけ?」っていうくらいが僕にはちょうどいい。

 できることなら人込みのなかで、なにも気にすることなく手を繋いでいたい。終電も昨日の仕事も、これからのことも、なにも気にしないで歩いていたい。

 吉良吉影じゃあないけど、その白くてスベスベした手と白く長い指にずっと触っていたい。
 「わたしの名は『吉良吉影』。あなただけだッ!わたしの正体を知る者は、あなただけになる!」

 つーわけで、今夜のクリスマスも「来年の作戦考えようぜ」ってカンジで過ごしています。
 ずっとこんな日々が続くような気がする。それほど寂しくもないし、たまに幸せだから、これでいいのかな~って考えちゃうのもイケナイのかもしれない。いつまでもこうしていられないってことはわかってんだけどよォ~。

 
 エンリョなんかしなくていいのに。

 「このわたしをもっと追い詰めるがいい!その限界の『ギリギリさ』が再びきっと!!『バイツァ・ダスト』を発現させるのだッ!」
 いつも限界まで自分を追い込みながら、最後になにも言えないのは誰のせいでもなくて、自分のせいなんだ。「言ったところでなにが変わるんだ?」ってことばかり考えて、行動もしない臆病者で、僕は。

 「裁いてもらうがいいわッ!吉良吉影」
 「わたしはどこに…連れていかれるんだ…?」
 「さぁ…?でも…安心なんてない所よ…少なくとも」

 メリークリスマス。