~三国日誌 補足(仮) 前回までのお話~
まさかの番狂わせ!
正義超人実力№1とも言われるテリーマンが、阿修羅マンに両腕を奪われた末に、まさかまさかの両者リングアウトドロー。
その後も実力未知数のジェロニモが、悪魔超人首領とも言われる砂地獄のサンシャインに挑む。なんと!?ジェロニモは実は超人ではなく、超人にあこがれるただの人間だった!
しかしジェロニモは不屈の闘志でサンシャインをマットに沈め、正義超人軍団はついに五重のリングの最上階に到着する。
そこで明かされた黄金のマスクの正体=悪魔将軍ッ!!
「おまえの父は私だ!」
「そんなの嘘だ~ッ!」
「嘘ではない、親子二人なら皇帝も倒せる!二人で銀河を支配しようではないかッ!」
…
「わが君、なにを読んでいらっしゃるのですか?」
「ん、これか?キン肉マンさ。孔明は読んだことあるのか?面白いぞ」
「いえ、読んだことはありません」
劉備が、荊州の劉表を頼り、この新野の地に落ち着いて早二年。10コ以上も年下ではあるが天才軍師と名高い諸葛亮孔明を幕下に迎えました。
しかしながら、河北四州を治めていた名門袁紹も今はなく、その河北を組み込み、力をつけた曹操が、この荊州まで南下して攻撃してくる気配も見せ始めています。
そんなある日。新野の城内で。
「わが君、謹んで申し上げます。こんなことを申し上げるのは畏れ多いのですが、そんな余裕あんの?もし明日にでも曹操の軍勢がこの新野に雪崩れ込んできたらあんたやばいわ」
「そーだけどさー、俺も昨日まで12連勤で残業もすごいし、むっちゃ仕事してるよ。キン肉マン読んでるのは息抜きだよ。それをそんなふうに言われてもね~」
「曹操に対する備えはできていると?」
「うむ~、兵数こそ曹操軍とは比べるまでもなく少ないが、毎日の調練でいざとなれば五分の戦いが、まぁ、できると思っている。今もこれ読みながら兵法の勉強も兼ねて、ほら、ロビン戦法とか…」
「は?ロビン戦法?」
「いや、だから例えばの話だ。その、そうだ、例えばだな、歩兵、騎兵、弓兵ってあるじゃん。で、新しい兵種として、歩兵の手にジャンクマンのあれをつけるとか」
「曹操とわが君を比べて、わが君が戦力的に勝る点はどこだと思います?拠る領地はありますか?この新野は劉表の借り物ですし、兵力も大半はやはり劉表のもので、わが君直属の兵数はどれほどですか?兵糧の蓄えはどのくらい先までありますか?家臣の数は足りてますか?」
「…全て曹操には敵わない」
「では翻って、荊州の南で力をつけている孫権と比べては?」
「…やはり敵わない」
「敵わないのを承知なのに漫画を読んで気を紛らわしている。こうしている間にもあなたの周囲はあなた以上に力をつけているのですよ、誰もが」
「孔明。そんなこと言われなくてもわかっている。でもやれることは全部やっている。これ以上ないくらい我が軍の家臣達も兵士達も努力している」
「そうですね、やれる以上のことをやっておられます、わが君も我々も」
「そこまでやったところで、兵士の絶対数で言えば曹操は我らの10倍はある。自分の領地でもなく、兵士も借りている以上、これより多くは増やせない。増やせないながらも訓練値はマックス。ならばこれ以上何をすればいい?」
「人口を増やせば、徴兵できる人数も増えましょう」
「そんなイキナリ人口増えるか!?やー、つかーさ~、なんかしなきゃあいけないのはわかるけど、人口増やせってさ、話が飛躍し過ぎじゃあない?」
「言っとくけど、飛躍しなければ天下はとれないですよ」
「…」
「増えます。今この時代、決まった定住地を持たずに流浪の民となり、戸籍に乗っている人間の数というのが極端に少ないのです。争いとはしばらく無縁だったこの新野でも同様です。きちんと戸籍を調べ、人口を把握し、法律に準じた上で兵士の数を増やすことはできます。徴兵とは言っても無理矢理に兵士にするのではなく、きちんとした人口の精査に基づいて、民に適正な税を納めてもらい、兵士を育成するのです」
「…さすがは孔明だ。漫画なんか読んで気を紛らわしていた自分が恥ずかしくなってきた。思えば私は常に前進することを心がけていた。最近は歳も取り、気持ちも萎えていたのかもしれないな。孔明、私のような暗愚な主を許してくれ」
「言葉が過ぎたことをお許しください。しかしわが君はそこに気がつかれた。弱くなっている自分をお認めになられた。あなたを信じ、出仕したわたしも嬉しく思います」
「して、孔明。私は曹操に勝てるだろうか?もはや力の差は歴然としてしまっているが」
「だいじょうぶです。あなたは奇跡の逆転ファイターではありませんか」
そしてこのあと、劉備軍はこの新野で、大敗する。
まさかの番狂わせ!
正義超人実力№1とも言われるテリーマンが、阿修羅マンに両腕を奪われた末に、まさかまさかの両者リングアウトドロー。
その後も実力未知数のジェロニモが、悪魔超人首領とも言われる砂地獄のサンシャインに挑む。なんと!?ジェロニモは実は超人ではなく、超人にあこがれるただの人間だった!
しかしジェロニモは不屈の闘志でサンシャインをマットに沈め、正義超人軍団はついに五重のリングの最上階に到着する。
そこで明かされた黄金のマスクの正体=悪魔将軍ッ!!
「おまえの父は私だ!」
「そんなの嘘だ~ッ!」
「嘘ではない、親子二人なら皇帝も倒せる!二人で銀河を支配しようではないかッ!」
…
「わが君、なにを読んでいらっしゃるのですか?」
「ん、これか?キン肉マンさ。孔明は読んだことあるのか?面白いぞ」
「いえ、読んだことはありません」
劉備が、荊州の劉表を頼り、この新野の地に落ち着いて早二年。10コ以上も年下ではあるが天才軍師と名高い諸葛亮孔明を幕下に迎えました。
しかしながら、河北四州を治めていた名門袁紹も今はなく、その河北を組み込み、力をつけた曹操が、この荊州まで南下して攻撃してくる気配も見せ始めています。
そんなある日。新野の城内で。
「わが君、謹んで申し上げます。こんなことを申し上げるのは畏れ多いのですが、そんな余裕あんの?もし明日にでも曹操の軍勢がこの新野に雪崩れ込んできたらあんたやばいわ」
「そーだけどさー、俺も昨日まで12連勤で残業もすごいし、むっちゃ仕事してるよ。キン肉マン読んでるのは息抜きだよ。それをそんなふうに言われてもね~」
「曹操に対する備えはできていると?」
「うむ~、兵数こそ曹操軍とは比べるまでもなく少ないが、毎日の調練でいざとなれば五分の戦いが、まぁ、できると思っている。今もこれ読みながら兵法の勉強も兼ねて、ほら、ロビン戦法とか…」
「は?ロビン戦法?」
「いや、だから例えばの話だ。その、そうだ、例えばだな、歩兵、騎兵、弓兵ってあるじゃん。で、新しい兵種として、歩兵の手にジャンクマンのあれをつけるとか」
「曹操とわが君を比べて、わが君が戦力的に勝る点はどこだと思います?拠る領地はありますか?この新野は劉表の借り物ですし、兵力も大半はやはり劉表のもので、わが君直属の兵数はどれほどですか?兵糧の蓄えはどのくらい先までありますか?家臣の数は足りてますか?」
「…全て曹操には敵わない」
「では翻って、荊州の南で力をつけている孫権と比べては?」
「…やはり敵わない」
「敵わないのを承知なのに漫画を読んで気を紛らわしている。こうしている間にもあなたの周囲はあなた以上に力をつけているのですよ、誰もが」
「孔明。そんなこと言われなくてもわかっている。でもやれることは全部やっている。これ以上ないくらい我が軍の家臣達も兵士達も努力している」
「そうですね、やれる以上のことをやっておられます、わが君も我々も」
「そこまでやったところで、兵士の絶対数で言えば曹操は我らの10倍はある。自分の領地でもなく、兵士も借りている以上、これより多くは増やせない。増やせないながらも訓練値はマックス。ならばこれ以上何をすればいい?」
「人口を増やせば、徴兵できる人数も増えましょう」
「そんなイキナリ人口増えるか!?やー、つかーさ~、なんかしなきゃあいけないのはわかるけど、人口増やせってさ、話が飛躍し過ぎじゃあない?」
「言っとくけど、飛躍しなければ天下はとれないですよ」
「…」
「増えます。今この時代、決まった定住地を持たずに流浪の民となり、戸籍に乗っている人間の数というのが極端に少ないのです。争いとはしばらく無縁だったこの新野でも同様です。きちんと戸籍を調べ、人口を把握し、法律に準じた上で兵士の数を増やすことはできます。徴兵とは言っても無理矢理に兵士にするのではなく、きちんとした人口の精査に基づいて、民に適正な税を納めてもらい、兵士を育成するのです」
「…さすがは孔明だ。漫画なんか読んで気を紛らわしていた自分が恥ずかしくなってきた。思えば私は常に前進することを心がけていた。最近は歳も取り、気持ちも萎えていたのかもしれないな。孔明、私のような暗愚な主を許してくれ」
「言葉が過ぎたことをお許しください。しかしわが君はそこに気がつかれた。弱くなっている自分をお認めになられた。あなたを信じ、出仕したわたしも嬉しく思います」
「して、孔明。私は曹操に勝てるだろうか?もはや力の差は歴然としてしまっているが」
「だいじょうぶです。あなたは奇跡の逆転ファイターではありませんか」
そしてこのあと、劉備軍はこの新野で、大敗する。