おしりに大きなデンボができている。
プリンプリンのお尻である。
脂肪のカタマリのようなもので、
それをデンボと呼ぶのかどうかは
よくわからないので、
まあかろうじて出来物の象徴的な
呼び方であるデンボと言っている。
実はもう20年くらい前から、
右臀部の先端ではなく、
おしりに近い方向にぽっつりと
できてるのだ。
まあ汚い話ですみません。
ご飯を食べようかというときや、
正常な心でいるときは、
これを読んで心を乱さないようにしてください。
大きさ的には、生涯最大というわけではありません。
子供の時は何のアレルギーか知らんけど、
腕に大きなできものができており、
最終ビールの500ml缶くらいの
かさぶたが取れたことがありますね。
あれが生涯最大のデンボでした。
今回のこのデンボはある程度内分泌液がたまると、
指でエイやと抑えて正常化していたのです。
そのデンボがねえ、ここんところ
指で押さえても反応しないのです。
もうクルミが割れるんじゃないか
というくらい圧力をかけても反応がないのである。
ミセスに見てもらうと確かに
反応しそうな先端があるのだが、
これがもう固く固まっているような
感じだったのです。
これはいよいよ切開による治療かなあ
と思いつつも、その時は甲子園観戦や
ジダンの講演会などあり、
甲子園ではいきなりのホームランに
絶叫したりしつつ時がたっていました。
するともう、ばい菌が入ったのかなあ。
おしりはどんどん膨れてゆき、
ぼちぼち噴火かなあと思っていましたが、
それより痛みが出てきました。
これはいかんとすぐに皮膚科に行きますと、
どうも腫れが出ているようなので、
抗生物質で押さえたうえで、
一週間後に針で穴を開けましょう
という治療になりました。
でももうこの時点で腫れは最大になっており、
かなり痛みが走ります。
最初は「デンボ」やから「ジャンボ」が
当たるかなあとか冗談を言っていたのに、
だんだんと冗談も言えなくなってきました。
サマーデンボでサマージャンボ、
年末には年末デンボだなんてもういけません。
たまらず5日ほどで皮膚科にいくと
「うわ~これは痛いね」と言い張ります。
そう、膨れ上がったデンボの腫れが
表面の皮膚をきりさいているようです。
「じゃあ、もう穴をあけて
中身を絞り出しましょう」
と判断されました。
ベッドの上にお尻を出して寝ころびます。
「消毒は大丈夫ですかあ」と聞くので
「あまりおしりを消毒されたことはないですが、
たぶん大丈夫です」
「はい。では穴をあけますよ。
ここは痛いので我慢してくださいね。」
足元を看護士が抑えます。
ぶちっ!ううここは意識を外へ飛ばしましょう。
「三垂線の定理はどんなんやったけ」
とほかのことを考えますが、
おしりに衝撃が走ります。
そして医者が「はい穴が開きましたので
少し絞りますよ」といいます。
「痛いけど我慢ね」と言われたので、
今度は三角関数の定理を思い出しましょう。
とまあ冷静に言ってますが、
doironの体形は、枕を抱いてもだえる
リスのようなものです。
そんなおしぼりが3回ほど続いて、
医者が「はいおわりましたよ」と
言ってくれました。
現実に戻ったdoironは、
意外に軽くなったおしりに
喜びを爆発させます。
右臀部、デンボ富士山の見事な噴火でした。
火山灰もかなりの量が出ています。
かるくなったおしりにも喜ぶと同時に、
これで体重も減ったぞ
なんていう変な安心感さえ生まれてきます。
ではこのまま毎日ガーゼを変えて
一週間したらまた来てください
と言われます。
ああ、この時点で予定していた
軽井沢旅行もキャンセルですね。
こんなおしりで、車を運転し続けるのは
無理があります。
孫をたずね、軽井沢の千住博の展示館は、
また秋の紅葉のきれいな頃にでも行きますかと、
泣く泣く予定を変えたdoironだったのでした。
続く
18切符で伊勢市をたずねてきました。
片道5時間。
そして今は伊勢神宮の外宮をお参りし、
そのあとバスで内宮へ行き
そちらも無事におまいりを
すませたところです。
この世の中には何も信じられるものはない
という人でも、ここでは頭を下げるかなあ。
伊勢神宮ってそんなところです。
五十鈴川をわたって内宮を出ると、
右手にお土産や食料品店が
ずっと並んでいます。
「おかげ横丁」と言われる商店街。
いきなり「赤福」が目立ちますね。
でもまあおっさん二人は赤福を食べ、
お茶を飲んでいるタイプではないので、
おかげ横丁をえらい人やなあ
とか言いながら進んでいきます。
このまま伊勢市まで歩いていくかあ、
何てのはちょっと無理ですね。
お土産屋さんなんかものぞきますが、
なにか買っていくのも、
この後カバンを持って
電車にのるので面倒ですから、
何も買わずにわいわい
変なこと言うだけです。
でもねえ、おっちゃんが、
あそこでソフトクリーム
売ってるから買うかといって
近づいていくと、フルーツソフトとかで
大変高額です。
あきらめて、おかげ横丁の先っぽの方から
バスに乗って伊勢市に向かいました。
まあバス代470円を高いなあ
と言ってる二人ですから、
フルーツソフトは向いてませんね。
それでも伊勢市に着き、
さあ売店でビールとおつまみを
買おうとしていると、
な、なんとおっちゃんは
ソフトクリームを買っているではないですか。
そうかあ、前に名古屋に行った時も
舞鶴行った時も
帰りにソフトクリームを買ってたことを
思い出しました。
あんなおっさんの格好して、
世間には大声では言えないけど
ソフトクリームフェチだったんですね。
そしてもう一つ、おっちゃんは
軽くひざを痛めているので、
こうして18切符で旅する時でも、
エレベーターを探して乗ります。
この階段上がったら移動通路に
出れるよというときでも、
延々と歩いてエレベーターに向かいます。
これ登った方が楽やでと
言ったりするのですが、
信念は曲げません。
でもねえ、膝が悪いといっても
この日はもう1万歩は歩いているんですよ。
なかなか高齢者の意思の硬さは
果てしないものがありますね。
さあでは伊勢市から、
ふたたび快速みえに乗って
津へと向かいましょう。
まだ天気は悪くないですよ。
遠くの鈴鹿山系の山も
よく見えていますしね。
ただ学校帰りの高校生たちも
多く乗っています。
にぎやかですねえ。
彼らにしてみれば、
なんと我々は教師よりも
年上のおっさんですねえ。
すごく年取ったなあと、
とても実感します。
津で乗り換えて亀山に向かいます。
ここでまた乗り換えの時間待ちが
40分ほどありますので、
駅前の図書館に行ってみました。
ここの図書館はなかなかいいところでしたよ。
並べてある本が見やすいしね。
漫画や特集なんかも充実していて
静かな時間を過ごすことができました。
そしてまた時間が来たら
電車に乗ってゆきます。
ビールも飲みながら田舎道を
ごとごと走ってゆきます。
そして加茂からの電車に乗っていると、
遠くの方にごつい雲が見え、
雷が鳴っているようでしたね。
まあもうここまで来たら
少々の雨でも大丈夫ですがね。
そんな晩夏の奈良盆地を、
疲れたねとか言いながら帰ってゆきます。
最後に和泉府中について、
伊勢旅の無事終了を駅前の居酒屋で
乾杯してヨロこんだ我々。
次は冬の18切符やなあと言いながら、
おっさん二人の旅は
元気に終わってゆくのでありましたとさ。
伊勢神宮の外宮に来ています。
ここには豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)が
祀られていますね。
天照の食事をつかさどる神なんだそうですが、
まつわる話も山ほどあり、
だれがどうしてどうなった
というような単純な姿では
その神の姿は伝えられていない。
まあここはそんな神のおられるところだ。
本殿には薄い布がかけられている。
風もなくて中をうかがうことも
できませんでしたが、
5年間、式内社で氏子代表を務めてきて、
コロナもあったけど、何とか勤め上げたことを
報告しておきました。
あとは自分を含め周りの人々の
幸せを願うお祈りをしておきました。
酒をのんだり、うまいもん食べたり
へらへら楽しむおじさん二人ですが、
神様には優秀な高齢者なのであります。
へへ。
本殿でお参りをし、参道を戻ってゆきますと、
遷宮跡がありますね。
20年に一度の遷宮を行うのですが、
今年はちょうど前の遷宮から10年目。
まだ名残というか、遷宮の準備は
見た目には何も起こっていないようでした。
帰り道は休憩所によりますと、
スーツを着た人が非常に熱心に
集団の人々にお話をされていました。
伊勢神宮にまつわる宗教的行事は
いろんなものがあるんでしょうねえ。
さあこれで伊勢神宮外宮の
お参りは終わりです。
伊勢鳥居のところで振り返って
頭を下げておきましょう。
ここからバスに乗って内宮に向かいますが、
バスの時刻はどうでしょう。
あ、ちょうど5分後くらいに来る様ですねえ。
まあ土日なんかは、注意書きを見ていたら、
臨時のバスもどんどん出ているようです。
外宮から内宮まで470円です。
バスの中から景色を見ていると、
あの熱田神宮から伊勢神宮まで走る
大学駅伝のコースなんかを通りますね。
ああ、もうこの辺は最後の戦いのところです。
ラストスパートが見所ですね。
そんなコースをバスで走っていると、
ほぼ10分くらいで内宮に到着です。
外宮に比べてやはりこちらは人が多いですね。
おかげ横丁なんていう、
土産物売り場なんかもありますから、
若い人も多いし、外国人も
ちらほら見かけますね。
でも意外に白人な少ないのは、
ここが世界遺産ではないからかもしれません。
そうやねえ、日本の神の中心地
かもしれないけど、
世界遺産になっていろんな外国人に
来てもらうのではなく、
静かにお参りしたいところなんで、
それでいいんだと思いますね。
何せ日本の心のふるさと、
三種の神器がおわすところですしね。
バスを降りて伊勢鳥居をくぐり
五十鈴川を渡って内宮の中へと
入ってゆきます。
参道は右へと続いてゆきます。
道の上に石が並べられていますねえ。
この石は「宮石」といい、
石の外側は商売人が店を開ける
ところだったそうです。
まあなのでこだわりの強い人は、
この石の内側を歩くのが
いいのかもしれません。
どんどん進んでいきますと、
右手に五十鈴川へ下りていくところがあります。
ここを通って手を洗いに
行ったりするそうです。
そして左側に本殿が見えてきました。
ここはねえ、階段から上は写真撮影禁止です。
でもねえ、外国の人達には
ちゃんと伝わってませんね。
階段で写真をとってると
上から係員が下りてきて
「ノーフォト」と叫んでいます。
大変ですねえ。
さあではdoiron達も階段を上って
お参りに行きましょう。
報告とお祈りを静かにすまし、
内宮のお参りを済ませましたよ。
これで伊勢参りは計画的に終了です。
続く
18切符っでええじゃないかと言いながら、
伊勢おかげ参りにきています。
ようやく和泉府中から
5時間かけて伊勢市の駅に到着です。
伊勢参りのルール通りにまずは
外宮にお参りします。
でもねえ途中の電車でビールも飲んだのに、
やはり人間の体は神秘的ですねえ。
お昼が近づいてくると
おなかがすいてきます。
まあ普通ですが・・。
来るときに通勤電車の中で、
昼飯は伊勢うどんやなあ
とのんきにしゃべっていましたね。
では伊勢市の駅前から、
そんなのが食べれるお店を見ながら
歩いてゆきましょう。
伊勢うどんを初めて食べたのは、
もう今から30数年前。
伊勢で開催される
トライアスロンに出た時だ。
漁港にある小さな港で食堂に入り、
伊勢うどんと書かれていたので注文したら、
どんぶりにうどんだけ入ったのが出てきて、
そこに出汁のしょうゆ刺し
のようなものがついてきた。
初めてだったのでびっくり。
食べてみたら、とてもおいしく、
運転者以外はビールを飲みながら
食べたという記憶がある。
「これならエイドステーションにおけるようなあ」
「バイクにまきつけられるよなあ」
なんて言ってたなあ。
食料補給をうどんで、なんてまあ
今でもそんな猛者はおりませんね。
当時は珍しい食べ物でしたが
今はもう町の食堂にも
普通に置かれていますねえ。
どこに入ろうかと
店の看板なんかを見ながら歩いていると
「お、ここのはてんぷらが
上に乗っているぞ。
豪勢そうでいいじゃないか」と
いいつつ値段を見ると、
3000円とまあ値段も豪勢。
まるで500円でたこ焼き4個
見たいな絶望感がある。
とうとう伊勢うどんも今風の
観光風に吹かれてしまったか
と嘆いてしまった。
駅からの道というとこんな感じかなあと、
何軒か眺めつつおっさんと
嘆きつつ歩いていると、
ふと目に入ったお店のメニューが、
伊勢うどん580円と出ているではないか。
これはええじゃないですか。
ほかにも魚介類のどんぶりもありますので、
即ここに決めました。
中に入って注文したのが、
伊勢うどんとマグロどんぶり定食、
そしてビールです。
これはおいしかったですねえ。
いかにも伊勢に来たって感じです。
伊勢うどんはだし汁がほとんどないので、
中に入っている出汁醤油と
コネコネに混ぜていただきます。
伊勢参りをする人たちは、
お参りで忙しいので、
こうして簡単に食べれる伊勢うどんが
生まれたそうです。
いやあこんなご当地感たっぷりな
昼食をいただくと、
電車で来たかいがありますね。
おいしかったよと店の人に言い、
さあではいよいよ伊勢神宮へと
向かってゆきましょう。
駅からの道をまっすぐ進んでいくと、
神宮のバス停の横を通ります。
外宮に参った後は、ここから
5.5km離れた内宮まで
このバスで移動ですね。
結構多くのバス客がいるようです。
そんなバス停の前に、
もう外宮が見えていますよ。
そんな景色を見ると、
ここに来たのはこれまで1回くらい
しかなかったですねえ。
たいがいは内宮に行っているようです。
伊勢観光、鳥羽観光、レース観光、
地元連中との観光、首藤さんとの観光、
職場観光といろんな形で
伊勢にはきましたが、
外宮はほとんどなかったですねえ。
首藤さんたちとの観光だけ
だったかもしれません。
大きな伊勢鳥居のところで写真撮影。
少しだけよっぱらったおっさん二人は、
鳥居で頭を下げ神妙に
入ってゆきます。
緑が多くて、気持ちいいですね。
でも伊勢神宮となると、
いろんな団体とかも関連して
いるんでしょうねえ。
それにいろんなルールもあって、
なんかよくわからん建物が
いっぱい立っています。
なんか意味あるのやろうねえ
と言いながら、奥の方に見えてきた
本殿にさあ、入ってゆきましょう。
続く
タイガース優勝で途切れましたが
話しを伊勢に戻しましょう。
ーーーーーーーー
18切符で旅しながら、
三重県の亀山まで来ています。
少し前の記憶ではここの駅前は
古めかしいロータリー風に
なっていたのだが、
駅員さんに18切符を見せて
出ていこうとすると
これがまあかなり整備された
状態になっています。
先ほど18切符を見せた
若い男性駅員に取材してみると、
「僕は最近この駅の配属になったのですが、
来たときはそちらさんの
言う通りの古い駅だったのですが
今年になってからきれいに
整備されましたねえ」とのこと。
新しいんですね。
昔、普通切符で旅しているときでも、
乗り換えに時間があって途中下車したときに、
こりゃあどこにも行けないわ
と駅の売店で座っていた
記憶があるくらいだったのにねえ。
ところが今はどうだ。
駅前は広場風になっていて、
お出迎えの車が泊まれるような
スペースもある立派な駅前になっている。
右隅の方には立派なビルもたっており、
亀山市の図書館として使われています。
そしてそのビルの前には銅像もありますよ。
「ヤマトタケルとその妻
オトタチバナヒメの像」なんだそうです。
ヤマトタケルは亀山に墓があるし
奥さんの生家もあったとされています。
この二人の像を市民が金を出して作成し、
市に寄付したという物なんだそうです。
そんな経過を見てたら、
doironが、かつて田舎な駅だなあ
と思っていたころには
整備の計画もあったんでしょうね。
何も知らずにのんきな旅行者でした。
ここでの時間は40分くらいありましたので、
少し歩いて東海道のあたりまで
行ってみましょう。
坂道が始まります。
ビールも飲んでいるので
ゆっくりと進みつつ、
途中こんなマンふたなんかも撮影し、
大きな池のところまで来たら
そこが東海道の問屋跡です。
昔の偉人が多く取った場所なんですねえ。
案内板とかを見ながら、
これがその先の道やなあと行ってるうちに、
ぼちぼち時間が迫ってきました。
楽しいことはすぐに過ぎてゆきます。
なので亀山城に行くのはあきらめて、
駅へ戻ってゆきましょう。
駅に入ってゆくと、
もう乗る列車が来ているようです。
次はこの列車で「津(つ)」まで行き、
伊勢市に行く電車への乗り換えです。
天王寺、加茂、亀山、津と
4回乗り換えですね。
計画通りに「津」で快速三重に乗り換えて、
三重県内を進んでいきます。
天気はいいですねえ。
空も広くて旅心をくすぐります。
以前ここに来たときは、
三重県へ仕事に来た人に
車で乗せてもらって、
途中色々電車に乗って
うろうろしたことがありますが、
そんなときによく乗った電車ですねえ。
電車は「松坂」も通ります。
この辺りはJRと近鉄が近くを
並走するように走っています。
そしてついに電車は最初の目的地である
「伊勢市」に到着です。
ここからだと伊勢神宮の外宮に
お参りすることになります。
で、ここで少し整理しておきましょう。
伊勢神宮には「内宮(ないくう)」と
「外宮(げくう)」があります。
この神宮は約5.5km離れています。
この二つの神宮を参ることが
「伊勢神宮参り」と言われています。
内宮は天照大御神(アマテラスオオミカミ)を祀り、
外宮は豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)を
祀っています。
この豊受大御神は天照の食事を
つかさどる神で、お参りするのは
この外宮をお参りしてから
内宮を回るのがいいのだとされています。
まあ今回の伊勢参りはそういう
考えにもあったおまいりになっているので、
ちょうどいいですね。
時刻は11時半。
和泉府中を出て約5時間で
外宮にたどり着いた我々でした。
でもお参りする前に
昼食をしておきましょう。
計画していたように、
伊勢うどんを出しているお店を
探しながら歩きました。
続く