哲学と言う学問は私にとって不可侵な領域である。
世に名を残すあまたの哲学者が後世に残した著作の何点かもTRYしてみたが睡眠薬にしかならないw
哲学的思考をしない即物的人種にとっては、格言・名言の数々も頭の隅を掠め抜ける・・・orz
国民的に「詩」を好むと言う韓国の人々。
その影響もあってか韓ドラにはよく文学的な表現が出てくる。
聞いてる方が、所在無くなってしまうような台詞もイケメンの俳優が恋愛モード全開で口にしていると思えば、ボリボリ頭でも掻きながらやり過ごすだけの事だ。
だが・・・時に学術ネタの台詞が飛び出してくる。
これには「WHAT」の「?」マークが頭を飛び交い、やり過ごす事ができなくなるw
日本のドラマでもない事はない。
近い所で『神はサイコロを振らない』にアインシュタインやシュレディンガーなどの物理学系のネタ散りばめられていた。
この話はそもそも、飛行機が突然タイム・スリップすると言う想定のドラマで、私が引っかかった台詞もその謎を解明する物理学者の台詞として登場した。
調べた「シュレディンガーの猫」なんて、何度説明文読んでも頭が受け付けなかったw
韓ドラのすごい所は、何気ない会話に登場する事だ。
大学進学率が80%越えの韓国だからか?日常会話に登場する学術ネタには驚かされる。
その1
韓ドラにはまるきっかけになった『冬ソナ(完全版)』で・・・
高校最後の旅行に山の山荘に行くチュンサン、ユジン、サンヒョク、チェリン、ヨンググ、チンスクの学友6人。
チュンサンの提案で「ウィトゲンシュタイン遊び」と言うのがチラッと登場する。
三人がそれぞれ太陽・地球・月となり、気ままに歩く太陽の周りを地球が、その地球の周りを月が回ると言うルールらしく、三つ目の軌道を歩く月役は太陽役に比べれば相当な運動量になる。
チュンサンは太陽、ユジンは地球、サンヒョクは月となって、案の定、サンヒョクはへっとへとになったところでこのゲームを言い出したチュンサンの思惑に気がつく。
ドラマの展開を思わせる三人の関係をさりげなく表現した作家の意図も感じられる。
この遊び、オーストリアの哲学者、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインが弟子であり友人であったノーマン・マルコムとその妻との三人で楽しんだと言われる。
マルコム妻が太陽、マルコムが地球、当のウィトゲンシュタインが月役だったそうだ。
天才哲学者と言われ、生涯独身だったと言うウィトゲンシュタインだが、「この遊び面白いの」と疑問に思うのは私だけ?
その2
へビーなエンディングで印象深い『バリでの出来事』で・・・
これは視聴していた人なら、絶対「?」を抱いたと思う。
会社にトップ入社した経歴を持つイヌクの愛読書『グラムシの獄中ノート』
彼は曰く
「・・・階級は中世だけのものじゃない。」
「持てる者のヘゲモニーが我々の目と耳を塞ぐ・・・」
「そのイデオロギーの中で幸せと言うなら仕方ないが・・・」 Fooo・・・
この台詞を好きな女に言って聞かせると言うもの凄さw
かっこいいソ・ジソブが口にしても痛かったw
ムッソリーニ政権下で投獄されたアントニオ・グラムシはイタリア・マルクス主義の思想家であり、イタリア共産党の指導者と言われる。
その獄中で30余冊にも及ぶノートに書き綴った。
ヘゲモニーとは主導権とか覇権と言う意味で、グラムシはこれを支配と従属の関係やプロセスの概念として表現。
「支配と従属の関係は最も複雑で流動的であり、様々な権力集団が絶えず抗争し、交渉し、合意を獲得する事によって形成される」そうだ。
しかも「この関係性は固定されたものではなく、常に一時的な均衡として現れる」と・・・
グループ内の力関係を示す概念らしい。←コノテイドノ リカイシカ デキマシェ~ン/涙
イヌクは明晰な頭脳を駆使した戦略で社内でのヘゲモニーを奪取し、人生の逆転を狙う。
韓国では貧富の差が両極化し、富める者2:貧しき者8と言われる。
ドラマを見ていた韓国の人は、イヌクの説くグラムシ理論、すんなり受け入れられたのかしら?
その3
現在視聴中の『兄嫁は19歳』で・・・
数学者になりたかったスンジェが、「1+1=2」をスラスラ~ッと数学的証明をするシーンがある。
その証明にはベアノの(整数論)の公理からの誘導と集合論による証明があるそうな・・・
私の頭は1+1をこうも難しく解釈しなければならない学問がある事に驚愕!
数学の証明問題、苦手だったし・・・orz
更にスンジェの数学的発想のウンチクを披露する。
屋台で飲んでる焼酎瓶・・・
「1本で7杯分だからさ。」
「7は1と7でしか割り切れない素数だ。」
「だから7人で飲まないと残ったり、足らなかったりする。」
「だから注文が増えるんだ。」
「これが数学の原理を利用した酒造会社の商法さ。」
へえぇ~、そうなんだ。
その4
『私の名はキム・サムスン』で・・・
自分の方から別れた元恋人ヒョヌが何を思ったのか、再びサムスンに言い寄る。
ホテルのバーで無理やり連れてきたサムスンに指輪を見せながら、「結婚しよう」と迫る。
ヒョヌはチェリとちょい前に婚約したばかり・・・
サムスンはいかれてると相手にしないが、あまりのしつこさに、先に破談したら信じると言う。
ヒョヌは「本当か?破談にすればいいんだな?」と簡単に言ってのけるので、サムスンは「できないよ。」
「あんたの遺伝子には誠意がないから、ノーベル賞候補にも組み替えはできないってさ!」とばっさり切り返す。
韓国語のできる知人が、この台詞、実際はノーベル賞候補じゃなく「ファン博士」と実名を挙げていると教えてくれた。
そうこのドラマをやっていた2005年は、ソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)教授が体細胞の胚性幹細胞の培養に成功したニュースがあった。
ファン博士の研究の評価と共に、博士の苦労した生い立ちも感動を呼び韓国の誇りとまで持ち上げられ称えられた。
しかし同年12月に研究成果の捏造が発覚した。
ドラマ収録時は、ファン博士の研究はノーベル賞候補の呼び名も高く、韓国中が盛り上がっていたのかもしれないw
DNAの中に「誠意」の情報が載っているかは別だが・・・w
韓ドラの不思議・・・まだまだありそうだ。
韓ドラの不思議 ② ③
世に名を残すあまたの哲学者が後世に残した著作の何点かもTRYしてみたが睡眠薬にしかならないw
哲学的思考をしない即物的人種にとっては、格言・名言の数々も頭の隅を掠め抜ける・・・orz
国民的に「詩」を好むと言う韓国の人々。
その影響もあってか韓ドラにはよく文学的な表現が出てくる。
聞いてる方が、所在無くなってしまうような台詞もイケメンの俳優が恋愛モード全開で口にしていると思えば、ボリボリ頭でも掻きながらやり過ごすだけの事だ。
だが・・・時に学術ネタの台詞が飛び出してくる。
これには「WHAT」の「?」マークが頭を飛び交い、やり過ごす事ができなくなるw
日本のドラマでもない事はない。
近い所で『神はサイコロを振らない』にアインシュタインやシュレディンガーなどの物理学系のネタ散りばめられていた。
この話はそもそも、飛行機が突然タイム・スリップすると言う想定のドラマで、私が引っかかった台詞もその謎を解明する物理学者の台詞として登場した。
調べた「シュレディンガーの猫」なんて、何度説明文読んでも頭が受け付けなかったw
韓ドラのすごい所は、何気ない会話に登場する事だ。
大学進学率が80%越えの韓国だからか?日常会話に登場する学術ネタには驚かされる。
その1
韓ドラにはまるきっかけになった『冬ソナ(完全版)』で・・・
高校最後の旅行に山の山荘に行くチュンサン、ユジン、サンヒョク、チェリン、ヨンググ、チンスクの学友6人。
チュンサンの提案で「ウィトゲンシュタイン遊び」と言うのがチラッと登場する。
三人がそれぞれ太陽・地球・月となり、気ままに歩く太陽の周りを地球が、その地球の周りを月が回ると言うルールらしく、三つ目の軌道を歩く月役は太陽役に比べれば相当な運動量になる。
チュンサンは太陽、ユジンは地球、サンヒョクは月となって、案の定、サンヒョクはへっとへとになったところでこのゲームを言い出したチュンサンの思惑に気がつく。
ドラマの展開を思わせる三人の関係をさりげなく表現した作家の意図も感じられる。
この遊び、オーストリアの哲学者、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインが弟子であり友人であったノーマン・マルコムとその妻との三人で楽しんだと言われる。
マルコム妻が太陽、マルコムが地球、当のウィトゲンシュタインが月役だったそうだ。
天才哲学者と言われ、生涯独身だったと言うウィトゲンシュタインだが、「この遊び面白いの」と疑問に思うのは私だけ?
その2
へビーなエンディングで印象深い『バリでの出来事』で・・・
これは視聴していた人なら、絶対「?」を抱いたと思う。
会社にトップ入社した経歴を持つイヌクの愛読書『グラムシの獄中ノート』
彼は曰く
「・・・階級は中世だけのものじゃない。」
「持てる者のヘゲモニーが我々の目と耳を塞ぐ・・・」
「そのイデオロギーの中で幸せと言うなら仕方ないが・・・」 Fooo・・・
この台詞を好きな女に言って聞かせると言うもの凄さw
かっこいいソ・ジソブが口にしても痛かったw
ムッソリーニ政権下で投獄されたアントニオ・グラムシはイタリア・マルクス主義の思想家であり、イタリア共産党の指導者と言われる。
その獄中で30余冊にも及ぶノートに書き綴った。
ヘゲモニーとは主導権とか覇権と言う意味で、グラムシはこれを支配と従属の関係やプロセスの概念として表現。
「支配と従属の関係は最も複雑で流動的であり、様々な権力集団が絶えず抗争し、交渉し、合意を獲得する事によって形成される」そうだ。
しかも「この関係性は固定されたものではなく、常に一時的な均衡として現れる」と・・・
グループ内の力関係を示す概念らしい。←コノテイドノ リカイシカ デキマシェ~ン/涙
イヌクは明晰な頭脳を駆使した戦略で社内でのヘゲモニーを奪取し、人生の逆転を狙う。
韓国では貧富の差が両極化し、富める者2:貧しき者8と言われる。
ドラマを見ていた韓国の人は、イヌクの説くグラムシ理論、すんなり受け入れられたのかしら?
その3
現在視聴中の『兄嫁は19歳』で・・・
数学者になりたかったスンジェが、「1+1=2」をスラスラ~ッと数学的証明をするシーンがある。
その証明にはベアノの(整数論)の公理からの誘導と集合論による証明があるそうな・・・
私の頭は1+1をこうも難しく解釈しなければならない学問がある事に驚愕!
数学の証明問題、苦手だったし・・・orz
更にスンジェの数学的発想のウンチクを披露する。
屋台で飲んでる焼酎瓶・・・
「1本で7杯分だからさ。」
「7は1と7でしか割り切れない素数だ。」
「だから7人で飲まないと残ったり、足らなかったりする。」
「だから注文が増えるんだ。」
「これが数学の原理を利用した酒造会社の商法さ。」
へえぇ~、そうなんだ。
その4
『私の名はキム・サムスン』で・・・
自分の方から別れた元恋人ヒョヌが何を思ったのか、再びサムスンに言い寄る。
ホテルのバーで無理やり連れてきたサムスンに指輪を見せながら、「結婚しよう」と迫る。
ヒョヌはチェリとちょい前に婚約したばかり・・・
サムスンはいかれてると相手にしないが、あまりのしつこさに、先に破談したら信じると言う。
ヒョヌは「本当か?破談にすればいいんだな?」と簡単に言ってのけるので、サムスンは「できないよ。」
「あんたの遺伝子には誠意がないから、ノーベル賞候補にも組み替えはできないってさ!」とばっさり切り返す。
韓国語のできる知人が、この台詞、実際はノーベル賞候補じゃなく「ファン博士」と実名を挙げていると教えてくれた。
そうこのドラマをやっていた2005年は、ソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)教授が体細胞の胚性幹細胞の培養に成功したニュースがあった。
ファン博士の研究の評価と共に、博士の苦労した生い立ちも感動を呼び韓国の誇りとまで持ち上げられ称えられた。
しかし同年12月に研究成果の捏造が発覚した。
ドラマ収録時は、ファン博士の研究はノーベル賞候補の呼び名も高く、韓国中が盛り上がっていたのかもしれないw
DNAの中に「誠意」の情報が載っているかは別だが・・・w
韓ドラの不思議・・・まだまだありそうだ。
韓ドラの不思議 ② ③
6月から入院を余儀なくされ、9月まで長~い日々でした。少しずつ回復してきましたよ~。時々覗いていましたがコメントを寄せるほどの元気が無くて鬱々としていました。
シュレディンガーの猫については今年の春に刊行された『ニュートン』の誰にも判る量子力学と言う特集に詳しく説明されていましたよ。理系が全く駄目な私は何度も読み直して頭がでしたよ。
それでも判りやすい方だったかな?
何せイマジネーションの世界で遊ぶことは得意としてもクリエイティブな世界を構築する事は苦手を通りこして不可解な領域なもので。
雑誌『ニュートン』は時々、手に取ってみると面白いですよ。
またお邪魔しますので、ヨロシクね
入院されていたんですか?
驚きました。
どうぞお大事になさって下さい。
物理学も哲学も凡人の私には、到底踏み込めない世界ですw
マキちゃんさんは相変わらず、いろいろな本や雑誌、読破されているんですね~
感心しちゃいます。
お体に障らない程度で・・・また教えて下さい。
こんな風に感じたこと文章にしてみたいです。
上手く文字にできないアタシ。・・・子供のころ、本を読まなかったからでしょうか?
イヌクのヘゲモニーの話。実はチンプンカンプンで辞書ひきました
私も判らないから、気になってしまうんです・・・w
俗物人間の私には、哲学とか数学の様々な定理証明などが高尚過ぎて・・・
シナリオ作家さん達は、ほんとに上手にその類の教養をチラッとドラマに組み込んでいて、感心してしまいます。