しろくま

軟い雑感、とりとめなく。

御馳走帖

2011-04-03 | 本棚
手伝いで貰ったうちの一冊。



グルメでも悪食でもないが、
つらつらと並べた食べものエッセイ。
河豚、澤庵、おから、雷魚、林檎、馬、鹿、牛乳、カステラ、茶柱、喰意地、罐詰…
百先生のワガママとヘンクツ* も味のうち。

奥付に昭和二十一年初版とある。
ただでさえ読めないのに、漢字仮名とも旧字体。
さらに言えば、背も裏表紙も無いし、
読んでるうちに、バラバラになるんじゃないかと思う。

ジツはすでに文庫で読んでいる。
それに、『新稿御馳走帖』からも編んでいる中公文庫の方が中身はある
腹がふくらむわけではないが、読むのは好きで、
もうすこし時間ができたら、ページめくってみよう。

物好きといえば物好きだろう。
地震と波を被ったが、ジッと待っていたのだ。
どうしてそれを、捨てられようか。

紙の本って、泥水被っても、踏んづけられても、背・表紙取れても読める。
電池切れたりTFT壊れたりすると一切ダメなデジタルよりも、タフかも。
一冊の本は、データ以上のものだ。ボロ本はボロ本なりに物と込みの個性・愛着が宿る。


*玄冬觀櫻の宴 で馬の鍋をするのだが、(4/10)
のっけから、馬は食われるつもりでゐるとは考へられないときて、黄牛は美味いに飛び、
結局、馬肉は硬くて客が帰った後に残り、辨當のおかずに入れる。が、それも行方不明で4日目に帰ってくる。…
食物、味そっちのけ。まったく、なんという書き手だろう。
ちょうど今、GyaOでチャングムやっているが、チェ尚宮なら言うかもしれない
「御託はいいから、黙って食べなさい」。
そして彼女なら、まだ美味そうに書くにちがいない(エッセイのエッセイzakkanでした^^)

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