しろくま

軟い雑感、とりとめなく。

蒸気力ワープロ

2012-11-18 | 本棚
―忘れられたヴィクトリア朝技術の叙事詩
というか…*

話としては『白鹿亭』の系列。大仰なのがいい。
教会牧師チャールズ・キャベジが作り上げた
蒸気駆動、パンチカードのワードプロセッサ(今やワープロも死語かな)。
マルチバックのご先祖様みたいなものか。

想像するに、コンソールでキャベジが文字を打っているさまは、パイプオルガンみたいな感じだったろう。
作業員が一生懸命石炭をくべる画が浮かんで頬がゆるむ。

楽園の日々―アーサー・C・クラークの回想 (ハヤカワ文庫SF)
クリエーター情報なし
早川書房
クラークが亡くなった時、この本で偲んだ。クラークの少年・青年期のsf時代。現在では古臭くとも、astounding**びっくり仰天な日々。
笑いで書いてあるが、『蒸気ワープロ』はチャールズ・バベッジとその時代への思いみたいに私は読んだ。
早かったのは時代か、バベッジ/技術か?

表紙はこっち↓の方が雰囲気ある(中身は同じです)。


*『ディファレンス・エンジン』ウィリアム・ギブスン/ブルース・スターリングの再読のウォーミングアップにと思って。
なにしろ、ギブスンは説明無しでストーリーを展開するから読みづらいったらありゃしない。
**sf誌でもある。原題はAstounding Days、『楽園の泉』にひっかけた邦題も泣かせる。

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