しろくま

軟い雑感、とりとめなく。

中也なピアノ

2015-03-29 | 音の棚
白鳥は帰ったし、桜はまだ
川沿いは、がらんとしていた。

♪「春の野を行く」 村松健 - YouTube

もうちょっと先、5月がいいのかもしれないが、
今頃もイイ。
なぜか中也がダブる。

春の日の夕暮/「山羊の歌」より

トタンがセンベイ食べて
春の日の夕暮は穏かです
アンダースローされた灰が蒼ざめて
春の日の夕暮は静かです

吁(ああ)! 案山子(かかし)はないか――あるまい
馬嘶(いなな)くか――嘶きもしまい
ただただ月の光のヌメランとするままに
従順なのは 春の日の夕暮か

ポトホトと野の中に伽藍(がらん)は紅(あか)く
荷馬車の車輪 油を失い
私が歴史的現在に物を云(い)えば
嘲(あざけ)る嘲る 空と山とが

瓦が一枚 はぐれました
これから春の日の夕暮は
無言(むごん)ながら 前進します
自(みずか)らの 静脈管の中へです

雨ニモマケズ

2015-03-29 | 日記雑記
唖蝉坊の次はでくの坊

すこし前、誰のログだったか、
「雨ニモマケズ」の下記の部分の
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ

「イッテ」と「イヒ(イフ)」に注目していた。

「東・西・南」は奔走するも、「北」には行かない。
北に喧嘩や訴訟があれば詰まらないから止めろと言ヒである。
自民公明画策の海外派兵・集団的自衛権行使で一言、チクリ。
私もニヤリ^^。


賢治、百年以上むかしの人だし、
愚直/ひたむきの賛歌なんて言ったって、
今日日流行んないだろうな…

陽水は反語・裏返しのもどかしさを歌っている。
♪井上陽水 ワカンナイ - YouTube

もういちど、ゆっくり読んでみる。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテイル
一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ小サナ萱ブキノ小屋ニイテ
東ニ病気ノコドモアレバ行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニワタシハナリタイ


身の丈でいっしょうけんめいの名も無きデクノボー
役に立たない絵空事を権力で権威付ける、利口ぶった馬鹿者たちより、
私は好きだ。