かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞  243

2021-06-14 18:19:40 | 短歌の鑑賞
 渡辺松男研究29まとめ(2015年7月実施)
   【陰陽石】『寒気氾濫』(1997年)100頁~
    参加者:石井彩子、M・S、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部 慧子  司会と記録:鹿取 未放

 
243 空いっぱいに透明大河流れおり欅若葉は藻のごとく揺れ 
 
    (レポート)
 爽やかな雰囲気が設定される。「空いっぱい」の「透明大河」とは宇宙であろう。そこに「欅若葉」の「藻のごとく」の例えが海で発生した生命体を思わせ、時間と空間を存在に広げている。(慧子)


   (当日意見)
★凄く大きい上からみ見下ろしような歌。(M・S)
★空いっぱいとあるから夏の豪雨をイメージしました。やっぱり宇宙的なイメージなので
 しょうかね。(石井)
★私は宇宙までは広げませんでした。下から大空を眺めています。風が吹いていて、風に
 色はないので透明ですが、その気流を大河のイメージで捉えています。その透明な河に
 は大きな欅の若葉を付けた枝が枝毎藻のように揺らめいている。伸びやかでゆったりと
 した気持ちの良い歌ですね。(鹿取)
コメント
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