かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞  240

2021-06-11 18:51:33 | 短歌の鑑賞
 渡辺松男研究29まとめ(2015年7月実施)
   【陰陽石】『寒気氾濫』(1997年)100頁~
    参加者:石井彩子、M・S、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:渡部 慧子  司会と記録:鹿取 未放


240 朝早き地震に根元揺さぶられ爽快となる五月の壮樹  

       (レポート)
 朝早き地震が根元をゆさぶる。その結果爽快となる壮樹がある。それは朝の目覚めを促している状態にも思えて、肯定的に地震を捉えていよう。地震によって仮にそのような状態に至ったとして、そこにはそれ以上の内容が思われる。動けなくても、そこに起こった事実を受け止めて爽快になるという壮樹の見事な受け身を詠っていると思う。(慧子)


       (当日意見)
★さっきの性器うんぬんの話からすると、また違う意味になってきますよね。でもこれは、
 素直に読んでいいのかな。(石井)
★これは素直に読んでいいのかなあ。地震だから地が揺れるんで根元が揺さぶられるのよ
 ね。それで爽快になるというのは十全には分からないんだけど、運動したような感じで
 さっぱりするのかなあ。「壮樹」って造語でしょうか、壮年の樹ってことですよね、そ
 こに自分を重ねてはいるんでしょうけれど、読んで爽快になる歌ですよね。(鹿取)
コメント
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