かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の短歌鑑賞 125、126

2021-06-20 16:50:34 | 短歌の鑑賞
   清見糺鑑賞19            鎌倉なぎさの会  

125 いつになく太白澄める夕ぐれの空を背にして酒買いにゆく
       「かりん」98年1月号

 詩的な高揚感のある歌。酒好きだった李白の名にちなんだ「太白」が効いている。ただ澄んだ金星を見上げているのではなく、酒を買いにゆくという自分の動きを詠んだところがよい。かろがろとした気分で下駄履きで歩いていたのかもしれない。その夜の酒はいかにもおいしかったろうと思わせられる。
★ 母親を思っていたかもしれない。(藤本)

 
126 時まれに国語の授業がしたくなる若いこころを戦がすような
        「かりん」98年1月号

 国語の教師をやめたからこそ言える感慨かもしれない。本来、教えると言うことは楽しいことなのだ。教え子達に先生のあの時の授業はほんとうによかった、感動的だった、などと言われたことが何度もあったのだろう。
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