かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  104

2020-12-16 21:27:16 | 短歌の鑑賞
   ブログ版 清見糺の短歌鑑賞 16  夜寒坂
                              鎌倉なぎさの会
   
                          
104 ただならぬ気配にゆらぐ半島のおんなだまってキムチを漬ける
          「かりん」97年3月号

 八十年の光州事件以降、民主化を求める運動は相次ぎ、韓国は揺らぎ続けていた。具体的な内容は失念したが九七年当時のそういう不穏な空気の中の韓国事情を詠んだもの。次にあげる鹿取の歌の方が先にできて、それをヒントに作られた歌。
  光州にひかりなくともキムチあるあれば滅ぶるその日も漬ける
 この自分の歌において、私は女、男ということはつゆ考えなかった。あえていえば、朝鮮民族の、庶民としての生活感のしぶとさのようなものを歌いたかった。清見はこの歌でジェンダーとしての女というものを意識したろうか。銃後の女というようなことを考えたであろうか。(鹿取)

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