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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 47 

2025-06-11 10:22:35 | 短歌の鑑賞

   2025年度版 渡辺松男研究2の7(2017年12月実施)
     『泡宇宙の蛙』(1999年)【山鳥薇】P36~
      参加者:泉真帆、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
           レポーター:渡部慧子      司会と記録:鹿取未放  

               
47 全世界音うばわれて完成す化石のわれのあおげる瀑布

           (まとめ)          
 46番歌(風景を山鳥薇(やまどりぜんまい)が殺し秋はゆくなり茫々の雲)は〈われ〉は人間で風景を見ているんだけれど、ここで〈われ〉は化石になっている。石に閉じ込められているので、全世界の音が〈われ〉には聞こえない。しかし瀑布が見えている。滝は轟音を発しているかもしれないけど自分には何も聞こえない、しかもそれが完成なのだという。なんとも不思議な世界が提示されている。
 ところで、先月考察した 42番歌(透りたる尾鰭をみれば永遠はすずしそうなり化石の石斑魚(うぐい))は、人間の〈われ〉が化石を見て、永遠という時間に思いをはせていた。47番歌は次元の違う世界に飛んでいる。(鹿取)

 


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