かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  105

2020-12-17 18:33:17 | 短歌の鑑賞
   ブログ版 清見糺の短歌鑑賞 16  夜寒坂
                                  鎌倉なぎさの会

105 護国寺という駅で降りなんとなく歩けばそこは夜寒坂なり
               「かりん」97年4月号

 護国寺には早稲田の創始者大隈重信の墓がある。ぶらぶら散歩することを「なんとなく歩けば」とちょっと逸らしたところが工夫であろうか。蓬莱さんのレポートに夜寒坂は「薬缶坂」とも書いて「やかんさか」と読むとある。何とも興醒めであるが、狐や野犬が出る寂しい場所だったと知れば別の風情もあるようだ。別の説によると、その付近が昔「夜さむの里」と呼ばれていたことによる名称とある。作者は「よさむざか」と詠むことで詩になったと思っていたのだろう。(鹿取)

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