かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 141

2020-12-30 19:49:35 | 短歌の鑑賞
   ブログ版 渡辺松男研究 17  2014年6月
       【Ⅱ 宙宇のきのこ】『寒気氾濫』(1997年)62頁~
       参加者:泉真帆、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
        レポーター:鈴木 良明 司会と記録:鹿取 未放
            

141 宇宙から収縮をしてきしもののかがやくかたさ鬼胡桃なり

 【レポート】鬼胡桃も実として生っているときは、普通の木の実とそんなにかわらないが、収穫をして殻付きの状態になると、歌のようにその姿が顕わになってくる。その風貌は、地球的なものとはとても思えず、永い時間宇宙空間を漂って凝縮した隕石のような照りと固さを持っている。(鈴木)

 
        (発言)      
★『隕石』という句集を渡辺さんがお出しになったこともあって、鈴木さんの評とそれが合致して
 嬉しかった。それと「かがやくかたさ」というのは何か不動のものへの憧れなんでしょうか?
(泉)
★胡桃って脳の相似形のような気がします。そしてこううたわれると宇宙の収縮形のようにも思え
る。そんな鬼胡桃がが降ってきてことんと目の前に転がっている感じ。「かがやくかたさ」って
そういう神秘を秘めた不思議な存在。(鹿取)
★胡桃を風貌と捉えたレポートがいいと思いました。ちょっと修行者みたいな感じがして。
  (慧子)
コメント
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