知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

「ただぬくもりが欲しかった~戦争孤児たちの戦後史~」

2017年08月17日 07時31分25秒 | 戦争
ただぬくもりが欲しかった~戦争孤児たちの戦後史~
(2017.8.13:NHK)



<内容>
過去を知られたくない、つらい記憶を思い出したくないと、路上生活を送った戦争孤児たちは、その経験をほとんど語ってこなかった。そんな中、孤児たちの戦後を記録しようと、全国規模の調査が始まっている。高齢となった孤児たちは、つらい記憶をようやく語り始めた。餓死する仲間たち、生きるために働いた盗み、周囲の冷たい目、そして差別…見えてきたのは、戦争の犠牲者なのに社会からさげすまれた孤児たちの姿だった。


 「学童疎開が大量の戦争孤児を作ってしまった」という文言は衝撃的でした。
 それから、子ども心には「親しかった人達から拒絶される経験は人間不信を生む」こともわかりました。
 学童疎開先は親戚が多く、しかし東京の両親が亡くなるとその子どもは親戚にとってお荷物以外の何物でもなくなります。
 優しかった親戚のお兄ちゃん、お姉ちゃんの態度は一変し、蔑まされ、虐められます。

 番組に登場する目の不自由な老人(写真の男性)もその1人で、「大人が始めた戦争なのに、なぜ俺がこんなひどい目に遭うんだ・・・一生社会に反抗して生きてやる」と当時思ったそうです。
 しかしその後、疥癬でボロボロになった皮膚を撫でて同情し風呂に連れて行ってくれた大人と出会い、希望を持って生きることができるようになり、マッサージを勉強して生業(なりわい)としたという人生。

 戦争孤児が取り上げられるようになったのは、つい最近のこと。
 社会的な力がない存在はいつの時代にも後回しにされてしまいがちです。

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