lapisさまのところで見つけて、危うく雪に埋もれそうになっていたので、居所が判らなくなる前に拾ってきた。
拾ってきてから呆然としても詮無いのだが、「論文が終わるまで禁欲のため本を買わない」と決めてしまったので、ちょっと困っていたりもする。諦めて事実を晒すこととするが、本業に触れるのでちょっと面映い。
【Q1.部屋にある本棚の数】
3つの細めの本棚を繋げて、ひとつにしてある。白の木製。
入りきらないものがテーブルや床を徐々に浸食。
【Q2.今読んでいる本】
「2010年の日本 雇用社会から起業社会へ」
夢がなくて本当に申し訳ないと思っている。次の会社の社長の指示で、生まれて初めてビジネス書?のようなものを買ってしまった。ある意味、記念的一冊である。
「Tourism Congestion Management At Natural And Cultural Sites」
夢がなくて(以下略)・・
これは、私の論文の基礎となる文献である。観光マネジメントの歴史は浅く、その内容から「まだまだ不十分だけど画期的な一冊じゃないか!」ということで現在の研究をこの本を足掛りに出発させることができた。論文のゴールを見失わないよう、たまに開いて内容を確認している。表紙が真っ赤なのがまた好きなのである。
「コトラーのホスピタリティ&ツーリズム・マーケティング」
夢が(以下略)・・・
こいつは逆に「うえぇ」と思いながら読んでいる。確かに観光にはマーケティングが必要なのだけれど、マーケティング以前にもう一段階必要な設計がある場合もあるんだよね。需要や顧客の側からの洞察には鋭いので、論文の参考にはならないが読んでいて面白い一冊ではある。
【Q3.最後に買った本】
「花空庭園」
やっと、本来のものがでてきた。
今欲しいものは、夢に誘うテキストではなく、美しく毒々しい色彩と湿度や温度を感じさせる生々しさであることを、この本を寝所で開いてふっと笑みを浮かべてしまった一瞬に、私は気付いた。気をつけなければ、誘われてしまう。今は、まだその時ではない。
【Q4.よく読む、また思い入れのある5冊】
「日々の泡」
恋愛小説のあまり好きではない私が読んだ中で最も美しい恋愛小説。花の濃厚な香りと、小さな可愛らしい鼠がタイルをカリカリ引っ掻く音の不協和音が哀しく美しい。
「1万1千の鞭」
大学時代に、「今まで読んだ中で最も反吐が出る小説だ」と美術史仲間の男性から投げ与えられた本。そのときは読んでどきどきして一旦廃棄してしまったが、数年後に再び読みたくなって購入した。今では、どきどきするが反吐は出ない。
「孤島の鬼」
乱歩好きの常として、私も短編のほうが好きだ。長編の中から一冊選ぶとしたらこれになる。無茶な設定を幾重にも重ねた実験的で奇抜なストーリーを、濃厚な悪趣味と純粋な偏愛が貫いている。誤解を恐れず云うと、なかなかに美しい。
「昼顔」
私の実家には本棚がない。幼い頃、私の部屋にあったカラーボックスの中身は今でも覚えていて、学研の図鑑と、遠藤周作の初期の集約本と、昼顔があった。幼い私が読んだ最初の活字は「昼顔」であり「海と毒薬」であった。誰かから貰ってしまって置き場のなかった本、幼女が貪るように読んでいたその本の中身を、勿論両親は知らない。
「世の途中から隠されていること 近代日本の記憶」
木下直之先生が大好きである。文化資源学会の筆頭だ。博物館から漏れ出たものとどう向き合うか。多種多様なモノを取り囲む既成のカテゴライズにどこからメスを入れることができるのか。
【Q5.バトンを渡す5人】
この地区は雪が降っていないので埋めておいても大丈夫だけれど、誰かが拾ってくれることを期待して、端っこを土から出しておく。
拾ってきてから呆然としても詮無いのだが、「論文が終わるまで禁欲のため本を買わない」と決めてしまったので、ちょっと困っていたりもする。諦めて事実を晒すこととするが、本業に触れるのでちょっと面映い。
【Q1.部屋にある本棚の数】
3つの細めの本棚を繋げて、ひとつにしてある。白の木製。
入りきらないものがテーブルや床を徐々に浸食。
【Q2.今読んでいる本】
「2010年の日本 雇用社会から起業社会へ」
夢がなくて本当に申し訳ないと思っている。次の会社の社長の指示で、生まれて初めてビジネス書?のようなものを買ってしまった。ある意味、記念的一冊である。
「Tourism Congestion Management At Natural And Cultural Sites」
夢がなくて(以下略)・・
これは、私の論文の基礎となる文献である。観光マネジメントの歴史は浅く、その内容から「まだまだ不十分だけど画期的な一冊じゃないか!」ということで現在の研究をこの本を足掛りに出発させることができた。論文のゴールを見失わないよう、たまに開いて内容を確認している。表紙が真っ赤なのがまた好きなのである。
「コトラーのホスピタリティ&ツーリズム・マーケティング」
夢が(以下略)・・・
こいつは逆に「うえぇ」と思いながら読んでいる。確かに観光にはマーケティングが必要なのだけれど、マーケティング以前にもう一段階必要な設計がある場合もあるんだよね。需要や顧客の側からの洞察には鋭いので、論文の参考にはならないが読んでいて面白い一冊ではある。
【Q3.最後に買った本】
「花空庭園」
やっと、本来のものがでてきた。
今欲しいものは、夢に誘うテキストではなく、美しく毒々しい色彩と湿度や温度を感じさせる生々しさであることを、この本を寝所で開いてふっと笑みを浮かべてしまった一瞬に、私は気付いた。気をつけなければ、誘われてしまう。今は、まだその時ではない。
【Q4.よく読む、また思い入れのある5冊】
「日々の泡」
恋愛小説のあまり好きではない私が読んだ中で最も美しい恋愛小説。花の濃厚な香りと、小さな可愛らしい鼠がタイルをカリカリ引っ掻く音の不協和音が哀しく美しい。
「1万1千の鞭」
大学時代に、「今まで読んだ中で最も反吐が出る小説だ」と美術史仲間の男性から投げ与えられた本。そのときは読んでどきどきして一旦廃棄してしまったが、数年後に再び読みたくなって購入した。今では、どきどきするが反吐は出ない。
「孤島の鬼」
乱歩好きの常として、私も短編のほうが好きだ。長編の中から一冊選ぶとしたらこれになる。無茶な設定を幾重にも重ねた実験的で奇抜なストーリーを、濃厚な悪趣味と純粋な偏愛が貫いている。誤解を恐れず云うと、なかなかに美しい。
「昼顔」
私の実家には本棚がない。幼い頃、私の部屋にあったカラーボックスの中身は今でも覚えていて、学研の図鑑と、遠藤周作の初期の集約本と、昼顔があった。幼い私が読んだ最初の活字は「昼顔」であり「海と毒薬」であった。誰かから貰ってしまって置き場のなかった本、幼女が貪るように読んでいたその本の中身を、勿論両親は知らない。
「世の途中から隠されていること 近代日本の記憶」
木下直之先生が大好きである。文化資源学会の筆頭だ。博物館から漏れ出たものとどう向き合うか。多種多様なモノを取り囲む既成のカテゴライズにどこからメスを入れることができるのか。
【Q5.バトンを渡す5人】
この地区は雪が降っていないので埋めておいても大丈夫だけれど、誰かが拾ってくれることを期待して、端っこを土から出しておく。
白で統一してあるところが、お洒落です。
Q3以降の本は、みんな持っています。ただ、「日々の泡」、「世の途中から隠されていること」は、積読本です。しかも、「日々の泡」は、買った記憶はありますが行方不明です。(苦笑)
最初に読んだ活字が、「昼顔」と「海と毒薬」というのは凄いですね。僕は、澁澤龍彦→映画「昼顔」→小説「昼顔」の順ですので、かなり後になって読みました。「昼顔」を読みふける幼女、映画の一場面に使えそうなシチュエーションですね。
小学校時代、僕は乱歩とホームズばかりを読んでいました。もちろん子供向けのものです。(笑)
感服です。容易に手に入る系の素敵な本の殆どはお持ちだと思って間違いなさそうですね。「昼顔」も「海と毒薬」も、幼女には判らない単語がいっぱいあったことを覚えていますが、何故だか「ボタン穴」という言葉が子供心に妙に鮮烈だったことも同時に記憶しています。
木下先生は、昨年つくばにいらしたのを捕まえて、久々にお話しました。ファンなだけでなく心の師です、ほんと。
さすがに、雪が降っていないと見つけてくれるものだね。
愉しみにしておりますよ。