論文の提出を終えて、芸術学系棟から出た途端に、風で擦れ合う木々の枝の奏でる唄と、揺れる常緑樹の光沢がきらきらする踊りが初めて眼に入った。
この冬に入ってから、はじめて心を持って木々のいのちを見た。
やっと、見ることができた。
奈良と和歌山で、忙しいさなかに一学生の願いを聞いて長い時間を割いてヒアリングに応えてくれた組織の方々。参考資料をひっくり返してくれたり、帰宅後の質問メールにも親切に、迅速に答えてくれ、時には郵送までしてくれた。今度、成果を届けにゆきます。
ありがとう。
奈良と和歌山で生まれ育ち、昔の風景や過去の色々な活動、風評、ほんとうに沢山の生きた物語を聞かせてくれた、骨董屋や喫茶店のおじちゃんやおばちゃん。論文に書けないことの中に、大切なことは本当にたくさんあった。今度行くから、また「お帰り」って言って迎えてね。
ありがとう。
家族の入院で客をとっていないことを隠して、いつもの長逗留をさせてくれた宿のおばちゃん。洗濯物を取り込むベランダから興福寺の塔が見えて、朝の鐘を聴くのがすきだった。鍵までくれて、まるでおうちのようだったよ。高熱を出して心配かけてごめんね。
ありがとう。
不便だからと調査や観光の全てを送迎してくれた宿のおねえさん。綺麗な景色のところを選んで送り迎えしてくれた宿のおにいちゃん。色んなお話が愉しかったよ。
チェックアウトの時間を無視して部屋で昼寝させてくれた宿のおばちゃん。淹れてくれる珈琲が美味しかった。買い物の行き返りに、暇潰しにと近所の資料館まで連れていってくれたおじちゃん。部屋にスズメバチが居て大騒ぎしてごめんね。
ありがとう。
ひとりっきりの私を大騒ぎの宴会に連れ込んで、愉しい時間を過ごさせてくれたフリーライターのおにいちゃん。「宿代が無くなったらいつでも泊まりにおいで」って言ってくれたね。ほんとに行っても知らないよ。
ありがとう。
食事する処に困って、酒も飲めないくせに入った焼き鳥屋。「明日、食べに来なくていいから、コンビニの帰りにでも寄りな」と言って、大きな桃をみっつもくれたおじちゃん。手掴みで、全部美味しく頂いたよ。今度寄ってびっくりさせるからね。
ありがとう。
正月を返上して先生が手直しを入れてくれた論文の草稿は、見事に真っ赤っかだった。論文を事前に直して貰うのは初めてだったから正直驚いたし駄目さ加減に少し凹んだ。だけど先生のこの上ない熱情を感じて、それに応えたいと思った。先生、提出後だけどまだこれからも直しちゃうよ。申し訳ないけど、私の熱情にもう少し付き合って。
ありがとう。
手紙やメールや電話やblogで、論文を書く元気を与えてくれた愛すべき全ての友。誰ひとり、「がんばれ」って言わなかったね。だけどみんなして「よく頑張ったね」って言ってくれたね。分野も素養も全然違うのに、「読ませろよ」って言ってくれた人も何人も居たね。提出前日には電話をくれた人も居たね。「早く東京に戻ってこい」って。この土地で手にいれた沢山の大切なものを両手に抱えてすぐ戻るから、もうちょっと待っててね。
ありがとう。
相談もなしに会社を辞めて、「研究者になるから」とぶちかました私の発言に呆れながらも容認してくれた両親。私の全ての遠回りと、全ての暴虐と、全ての挫折を糧にした無謀な選択を認めてくれた。お陰で私は心置きなく研究に生活を注ぎ込むことができた。
恥じるところのない研究者に私はなるよ。なれる気がするよ。
ありがとう。
ほんとうに、ほんとうに、ありがとう。
この冬に入ってから、はじめて心を持って木々のいのちを見た。
やっと、見ることができた。
奈良と和歌山で、忙しいさなかに一学生の願いを聞いて長い時間を割いてヒアリングに応えてくれた組織の方々。参考資料をひっくり返してくれたり、帰宅後の質問メールにも親切に、迅速に答えてくれ、時には郵送までしてくれた。今度、成果を届けにゆきます。
ありがとう。
奈良と和歌山で生まれ育ち、昔の風景や過去の色々な活動、風評、ほんとうに沢山の生きた物語を聞かせてくれた、骨董屋や喫茶店のおじちゃんやおばちゃん。論文に書けないことの中に、大切なことは本当にたくさんあった。今度行くから、また「お帰り」って言って迎えてね。
ありがとう。
家族の入院で客をとっていないことを隠して、いつもの長逗留をさせてくれた宿のおばちゃん。洗濯物を取り込むベランダから興福寺の塔が見えて、朝の鐘を聴くのがすきだった。鍵までくれて、まるでおうちのようだったよ。高熱を出して心配かけてごめんね。
ありがとう。
不便だからと調査や観光の全てを送迎してくれた宿のおねえさん。綺麗な景色のところを選んで送り迎えしてくれた宿のおにいちゃん。色んなお話が愉しかったよ。
チェックアウトの時間を無視して部屋で昼寝させてくれた宿のおばちゃん。淹れてくれる珈琲が美味しかった。買い物の行き返りに、暇潰しにと近所の資料館まで連れていってくれたおじちゃん。部屋にスズメバチが居て大騒ぎしてごめんね。
ありがとう。
ひとりっきりの私を大騒ぎの宴会に連れ込んで、愉しい時間を過ごさせてくれたフリーライターのおにいちゃん。「宿代が無くなったらいつでも泊まりにおいで」って言ってくれたね。ほんとに行っても知らないよ。
ありがとう。
食事する処に困って、酒も飲めないくせに入った焼き鳥屋。「明日、食べに来なくていいから、コンビニの帰りにでも寄りな」と言って、大きな桃をみっつもくれたおじちゃん。手掴みで、全部美味しく頂いたよ。今度寄ってびっくりさせるからね。
ありがとう。
正月を返上して先生が手直しを入れてくれた論文の草稿は、見事に真っ赤っかだった。論文を事前に直して貰うのは初めてだったから正直驚いたし駄目さ加減に少し凹んだ。だけど先生のこの上ない熱情を感じて、それに応えたいと思った。先生、提出後だけどまだこれからも直しちゃうよ。申し訳ないけど、私の熱情にもう少し付き合って。
ありがとう。
手紙やメールや電話やblogで、論文を書く元気を与えてくれた愛すべき全ての友。誰ひとり、「がんばれ」って言わなかったね。だけどみんなして「よく頑張ったね」って言ってくれたね。分野も素養も全然違うのに、「読ませろよ」って言ってくれた人も何人も居たね。提出前日には電話をくれた人も居たね。「早く東京に戻ってこい」って。この土地で手にいれた沢山の大切なものを両手に抱えてすぐ戻るから、もうちょっと待っててね。
ありがとう。
相談もなしに会社を辞めて、「研究者になるから」とぶちかました私の発言に呆れながらも容認してくれた両親。私の全ての遠回りと、全ての暴虐と、全ての挫折を糧にした無謀な選択を認めてくれた。お陰で私は心置きなく研究に生活を注ぎ込むことができた。
恥じるところのない研究者に私はなるよ。なれる気がするよ。
ありがとう。
ほんとうに、ほんとうに、ありがとう。
私も論文を書いてみたいなどとは、決して、決して申しませんが、その苦しさと苦しさが報われる悦びの体験のひとかけら、ちょこっとだけ味わってみたいような気もします。。。
どうぞどうぞ、是非教えて差し上げて下さい。
私が聡明かどうかはさておき・・真っ赤っぷりはなかなかのものでしたから。
満面の赤にどっぷり凹んでしまうほどの自信は私にはありません。でも、赤には色々な種類があって、聡明で的確な指示をくれる先生の愛溢れる赤だからこそ、有難い。
本筋を読み違えた上での赤や、先生の見解に偏る赤だったら、きっと私でも大いに腹を立てて、きっと、無視します(笑)
(すみません、お気軽で)
これからもますますいい日々を過ごして下さいね!!
はい、お陰様でなんとか提出まではこぎつけました。
友人にも言っていることなのですが、
「中途半端な頑張りはしんどい。本気の頑張りは結構愉しい。」
ということを、今回の論文格闘の日々によって知りました。
満足いくまで、愉しみたいと思います。
まだまだ色々と大変でしょうが、これで、一安心ですね。
以前、なにか機会がありましたら、コラージュをお作りすると約束しておりましたので、お祝いということで作ってみました。お目汚しでしょうが、お暇なときにでも見ていただけると嬉しいです。
私も、無事に論文出せて、よかったです☆
つくばに行って、みんなに会えて、まゆこさんに会えて、本当によかったです。
人間関係を築くまでにすっごく時間のかかる私だけど、みんなに支えられていたんだなぁ。。。と実感してます。
ここまで来るのに、正直いろいろつらかったけど、まゆこさんにいっぱいいっぱい話聞いてもらって、ありがとうございました。これからまゆこさんが東京に戻って私が広島に戻っても、ずっとずっと、よろしくお願いしますね(^^)
今月末にまたつくばでお会いしましょう!
素敵なプレゼント、ありがとうございます!
・・次は、お誕生日かしら(笑)
まだまだやることが山積しているので気を抜けないな、と思いながらもちょっと安堵していた矢先、次の勤務先から「2月からアルバイトでもいいので早速仕事してほしいのですが。」というメールが飛んできました。
必要とされるのは大層有難いことで、嬉しいのは本心なのですが、今回も卒業旅行とはいかなそうです(笑)
>mia ちゃん
いろんなことがあったね。
それぞれにしんどかったよね。
だけど、私もmiaちゃんに逢えてとってもよかったと思っています。大切なことを色々と教えて貰いました。
人との距離は、物理的距離じゃなくて、心の距離。
これからも、よろしくね。
なにはともあれ、おつかれさん。
活字を読むのは得意じゃないけど、完成版を読ませてよ!
こちらは、今日、仕上げた仕事の最終確認の時に、「どうしても修正したいけど、もう出来ないところ」に気がついてショックを受けているところ。
あああああ、なんで気がつかなかったんだろう・・・。修正したい!でも出来ない!
それは、大勢に影響がないような部分なんだけど、情熱だけが置き去りにされたような後悔が残ってしまった・・・。
こんな、行き場の無くなった情熱は、次の仕事に注ぎ込むしかないんだよなぁ、たぶん。
辛気くさい話をしてしまったが、本当にがんばった人の言葉を読んで、俺もがんばろうって思えたわけ。
サンキュー!
実は、記事を公開されたその日の明け方に読まさせていただいたんですが、あまりにも綺麗な「ありがとう」であったので、なにやら、自分が醜くも恥ずかしいモノに感じ、逃げ出してしまいました。(笑)
どうやら、あたしは怠惰極まって、低級な妖怪と化していた様です・・・キレイナモノ、コワイ、コハイ。
で、ネット環境のない場所に逃亡していましたが、先ほど、帰宅いたしました。
実に美しい「ありがとう」ですね。
心洗われた気分です。ありがとうございます。
ご名答。提出前夜にあの能天気な電話です(笑)
既に提出書類は耳を揃えて鞄の中・・だったので無問題なのですが、むしろタイミングがよすぎて嬉しかった。これも、頑張ったからの偶然のご褒美なのかな?と思った。
直しがきかない修正点・・
仕事のとき、いっぱいあったな。半期に一度しかリメイクできない仕事だったから、半期のあいだじゅうずっとその情熱を維持するのが大変だった記憶があるよ。
じょうは今、とっても愉しそうに仕事をしてるから、その背中はいつも「私も負けないぞー」って思わせるよ。インカの人々、素敵。
論文・・途中で放棄しないって約束してくれるなら、是非読んでね。きっと、情熱だけは、伝わる。
>IQ.0 さま
おかえりなさい(笑)
お待ちしていました。
これを書いて、読み直したときに、まだまだ足りないあの人やあの人・・の顔が浮かんで、とてもみんな書ききれないよ!と何度も頭を抱えました。
勿論、ありがとうの相手には貴女も含まれています。
人間って、自分が勝手に頑張ってるってつい思いがちなんだけど、みんなに頑張らせて貰っていたんだな、と論文の謝辞を書いている最中にフラッシュバックした色々な出来事や人々の顔にクラクラしながら思ったのです。
そして、謝辞には書ききれない全ての感謝をここに記したかったのだけれど、それでも足りなかった。
あたしは、一介の妖怪じみた無力ないきものにすぎないのに、どうしてこんなに幸せなんだろう。
その思いが少しでも伝わったのなら、嬉しい。