最初、題名を聞いただけで観ようと決めたこの映画。
だって英国王だもん、給仕人だもの、と。
あとで〈チェコ映画〉と聞いて「ん?」
さらに〈監督は『スイート・スイート・ビレッジ』の…〉と知って「んん?」
脳内シナプスがつながって、過去に観たフィルムが蘇った。
『スイート・スイート・ビレッジ』の、あの監督(※イジー・メンツェル)かぁー!
あー、観る観る! 観にいく!
20年くらい前にビデオで観た『 . . . 本文を読む
皆さま、おひさしぶりでございます。
「執事たちの足音」再開です。
とつぜんブログ更新を止めてしまいまして…
国書刊行会ジーヴス本の訳者、森村たまき様からは年賀状にて
「心配しております」と書かれてしまったりして、いやはや、恐縮です。
更新がストップしていたのは、身体を壊していたのでも何でもありません。
引越しで、2ヶ月ほどネットがつながらない環境にいたのです。
で、今回やっとつながったワケで . . . 本文を読む
映画『アマデウス』の「ディレクターズ・カット版」をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか? 「劇場公開版」でカットされた20分ぶんのシーンを復活させ、再編集されたものです。
数ヶ月前、夜中にテレビでやっていたのをたまたま見かけて「ほほう、どんな風に違うのかしらん」とそのまま最後まで見入ってしまいました。
というのも、もともと私はこの映画が好きで、「劇場公開版」DVDも持っていて、何回か観 . . . 本文を読む
仕える主人が料理にこだわるグルメだったら、使用人はどんなハメに陥るか?
それも、ものすごく突飛なアイデアで食卓の演出を司る「美食のエンターテイナー」だったら―
そんな夢想に応えてくれる人物がいます。
グリモ・ド・ラ・レニエール。
18世紀後半、奇想天外なる午餐会でパリの人々を仰天させたフランス人です。
澁澤龍彦「グリモの午餐会」を読んで、この奇人を知りました。
どんな奇想天外な午餐会だったかと . . . 本文を読む
ふだん、執事とか召使いたちを頭のどっかに据えて暮らしていると、思わぬ出会いがあります。
近所のホームセンターだった。
机の蛍光灯が切れたので、買いに行ったのです。もともとは。
そうなんだけど、この大型店に入ると、いつもフラリと足を踏み入れてしまうコーナーがある。
広いフロアの一画にある、犬猫を展示販売する「ワンニャン村」。
その名の通りワンニャンワンニャンと、ちっこいワンころやニャンころがガ . . . 本文を読む
本日の召使 : ハンス・シュワイガー(フォン・トラップ一家の執事)
『サウンド・オブ・ミュージック』
想像してみてください。
もし、あなたが執事で、
長い年月、さる貴族に仕えていたとする。
立派で、包容力のあるご主人さまと、素朴で快活な奥さま。
愛くるしい7人の子どもたち。
居間は音楽にあふれ、おだやかで、幸せな毎日。
ところが。
戦争が、すべてを、変えた。
窓の外、街の景色が、みる . . . 本文を読む
本日の召使 : 帯刀(たちはき) (『落窪物語』より)
学校の授業で教わる平安朝の作品といったら、
『枕草子』『源氏物語』このふたつでしょう。
『落窪物語』はあまり知られてないように思います。
千年前、清少納言が『枕草子』の中で前置きも無く「みんながとうぜん知っている物語」のように触れている『落窪物語』も、現代では日本文学年表などで「あー、源氏物語の前にも、いちおう物語ってのはあったのね~」と . . . 本文を読む
ども。
話題のセカンドライフに執事が登場すると聞いて、俄然、仮想空間に現実味を感じてしまった胡蝶の夢なcountsheep99です。
豪華な邸宅で夢の執事ライフを!
ロビン、セカンドライフ内で日本人富裕層向けの執事付き高級住宅を販売
(THE SECOND TIMES /10月15日付)
ほぉほぉ、つまり邸宅を購入(日本円で12万~)すれば、希望で24時間対応の執事サービスが受けられる…あれっ . . . 本文を読む
えー、桂枝雀「ちしゃ医者」収録の落語速記本がやっと図書館で借りられました。
『上方落語 桂枝雀爆笑コレクション〈1〉スビバセンね』
で、さっそく久助のセリフから、桂枝雀が信奉する「従者の美学」を読み取ってみようかと。
(枝雀氏が定義された「従者の美学」が何たるかは、この前のブログ記事、
桂枝雀の<従者の美学> ―上方落語「ちしゃ医者」をご覧下さいませ)
その前に「ちしゃ医者」のあらすじ―― . . . 本文を読む
この噺には医者の従者の久助サンという人物が登場します。この久助サンに「従者の美学」を見るのでございます。口ではコツコツコツコツ言うてるけれど、おなかの中では先生の世話をさせてもらうのがうれしいんですね。私は、噺の中で久助サンに独白でその心情を吐露してもらっています。
『桂枝雀のらくご案内―枝雀と61人の仲間』 桂枝雀・著 ちくま文庫 2002年 より引用
(太字はブログ筆者)
上方落語のネタに . . . 本文を読む
「このような事件の考察には、人間感情のうごきをないがしろにするわけにはいかないものです。―略― わたしのみたところ、その執事は――ええと、名前はなんといいましたかな?」
「パーソンズですわ」
「彼、パーソンズは、その階級にふさわしい性質をもっているはずで、警察にたいしては、いちおう、つよい抵抗を示さずにはいられなかったものと考えられる。くわしいことは教えまいとする。ことに、家族の者に嫌疑のかかるよ . . . 本文を読む
本日の召使 : ヒュー・ロバート・エドガー Hugh Robert Edgar(執事)
(「MANOR HOUSE 英國発 貴族とメイドの90日」より)
さて、前回ブログ「MANOR HOUSE (マナー・ハウス)」の面白さ①「エドワード朝」
のつづきです。
執事役のエドガー氏(↓この方ですね)にスポットを当てましょう。
最初に言い切ってしまいますが、
エドガー氏の執事は、本当のエドワード . . . 本文を読む
執事に関するニュースをのぞいていたら、興味深い記事がありました。
慢性的な「執事」不足が、金満家庭で深刻な悩みに
(JAPAN JOURNALS LTD 5月30日付)
記事によると、「執事を雇いたい」と熱望する人々が急速に増えているのだそうな。この10年の間に。
この“執事需要”増加の背景には、インターネット産業で財を築いたネット長者が増えたことにある、とのこと。
「現在の執事の数が2倍に増 . . . 本文を読む
本日の召使 : ジェームズサー・ベンソンマム
(映画『名探偵登場』/原題:Murder by Death より)
『名探偵登場』
作品を創る技法に“パスティーシュ(模倣)”というのがあります。
ある作品や作家の手法、キャラクターを借りて新しい別の物語を描く方法です。
とうぜん観る側の、原作(あるいはキャラクターの特徴)への知識・理解度によって作品の面白味は左右されます。ものまね名人の芸を、元ネ . . . 本文を読む
以前、当ブログにコメントを寄せてくださる小手鞠萌さまから、
「ミステリマガジン五月号」が執事・メイドの特集をしていますよ、と詳細なる情報を頂きました。
遅ればせながら、やっと五月号が手元に届きました。
ミステリマガジン五月号 :特集 執事とメイドは見た!
すばらしい特集記事です。
とくにミステリ書評家の杉江松恋氏による
「執事&メイドミステリはこれを読め!」はスゴイ。
読みたくなる作品がまる . . . 本文を読む