●ほんとうに誰もセックスしなかった夜 唯野 未歩子/著(写真なし)
わたしは、この世でたったひとりしか愛さない。あのひとは、わたしだけの神さまだった-。
年上の妻ある男性を愛しつづける美術教師を主人公に、繊細で壊れそうな至純な愛を描いた書下ろし長篇小説。
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自分の好みとは違った小説の文体でした。
そのせいか、内容もイマイチに感じてしまいました。
●つるかめ助産院 小川 糸/著
辛い出生の秘密を抱えるまりあは、ある日突然失踪した夫を探して、南の島をおとずれる。
だが、島の助産院の先生から、予期せぬ妊娠を告げられて…。
「今ここにいる」ことの奇跡を力強く描き出す感動長編。
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訪れた南の島で失踪した夫の代わりにというのか
自分の妊娠を知る。
そこにあふれる愛情で包んでくれる住民たち。
新しい自分、新しい役割を見つけながら
心は一歩を踏み出していく。
最後はずいぶん簡単に夫が見つかってしまうのはご愛敬。
そんなことはこの小説の本の動機の一つでしかないように感じる。
おすすめ!
●味なしクッキー 岸田 るり子/著
別れを決意して「最後の晩餐」の支度をする女、
高校時代の友人の自殺の真相を知りたがる女、不倫相手にクッキーを焼く女…。
気鋭の描く“わるい女たち”。書き下ろしの表題作ほか、
「パリの壁」「愚かな決断」など全6編収録。
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短編ミステリーが6話。
ミステリーというジャンルはあまり呼んだことがないので
ミステリーと言っていいものか、良くわかりません。
どの話も最後はブラックです。
まぁ、読んでも読まなくても貴方の自由、ていったところでしょうか。
●Q&A 恩田 陸/著
これからあなたに幾つかの質問をします。ここで話したことが外に出ることはありません-。
これぞ小説!
質問と答え(Q&A)だけで物語が進行するリアルでシリアスなドラマ。
謎が謎を呼ぶ「恩田陸ワールド」の真骨頂。
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ある住宅街のショッピングセンターで大惨事が起こる。
しかしながら、その起因がいつまで経っても不明なのである。
その原因を探るべく一般人を対象に聞き取り調査が始まった。
あらすじにあるように、
質問と答えの会話のみで進行していくストーリーは
なかなかにリアリティを読む側に与えてくれる。
スカッと晴れない結末ではあるけれど
これはコレでいいのかもと・・・。
なかなか面白いです。
さすが恩田陸です。
●蹴りたい背中 綿矢 りさ/著
高校に入ったばかりの「にな川」と「ハツ」はクラスの余り者同士。
やがてハツはあるアイドルに夢中のにな川の存在が気になってゆく。
いびつな友情? 臆病な恋? 不器用さゆえに孤独な二人の関係を描く文芸賞受賞第一作。
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大学在学中に『インストール』という作品で文芸賞受賞をとった作者。
どんなんかなぁと読んでみましたが
うーーん?と・・・。
ごくありがちな青春の1ページ?なのかなぁ。
●あたし、ちょっとマシーン 清瀬 マオ/著
大学生活とソープランド勤務を両立させるスモモは、
ソープランドに勤務する女の子たちの集まるサイトでユズと知り合う。
彼女は怖いくらい純粋で、透明で、優しい子で…。
『パブリッシングリンク』の電子配信作品に加筆・訂正。
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軽いタイトルとあらすじのソープランドという言葉から
ちょっとエッチ系のストーリーを描いてしまいますが・・・
ところがどっこい!
けっこう重いテーマを描いています。
なぜ、大学生なのか?
なぜ、ソープなのか?
なぜ、ちょっとマシーンなのか?
主人公には守らなければならない荷物を背負っているからなんです。
読んでみる価値あり!