![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/17/aea50be38b4090aa1ce5e7881864d4e5.jpg)
●遥かなる水の音 村山 由佳/著 集英社
パリで、ひとりの青年が死んだ。
最期をともに過ごした同居人は、ゲイの中年フランス人だった。
青年の遺言は「遺灰をサハラにまく」こと。
青年の姉や友人、同居人は、遺言を叶える旅に出るが…。
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この設定はこの著者ならではの感じ、でも最近のエロチックさはほとんどない。
でも、この埋葬の旅はとても感慨深い。
死んでしまった青年の魂のつぶやきが俯瞰から
登場人物の心情をおもんぱかる。
いい本だなぁって思える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/66/74eaa53ee8654dd2893584d031af430a.jpg)
●愛妻日記 重松 清/著
奥様には隠れて読んでほしいのです-。
R-18指定。夫のゆがんだ情欲を描く性愛小説集。
『小説現代』に直木三十六名義で掲載された作品を大幅に加筆し、改題して単行本化。
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家族の物語を描く作者ですが
その物語では書かれない、表現していない夫婦間「男女の性」を
描きたいと言う作者が、別名で書いた官能小説。
この本が面白いかどうかは別にして
日ごろ本を読んでいて感じていた物語の中にいる夫婦や恋人には、
男女のドロドロとした欲求ってないのだろうか?
聖人君子のような主人公でなければ
物語の中心に入って来れないのだろうか、
と、感じていたので
こういう正直な作者がいて、いいなと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/0f/9aa9194cbeef4fd011fd41baa8c0b5ad.jpg)
●流星ワゴン 重松 清/著
ひきこもり、暴力をふるう息子、浮気を重ねる妻、会社からはリストラ寸前…そんな37歳・秋。
「死んでもいい」と思っていた僕は、ある夜不思議なワゴン車に乗り、
自分と同い歳の父と出会った-。家族小説の新境地を拓く長編。
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同じく、愛妻日記を書いた重松 清さんの作品。
主人公のように「人生の心残り」って自分にもいくつかある。
物語の中のように、そんなターニングポイントを
もう一度やりなおしてみたいと思うのは誰にでもある。
でも、この物語は
やり直してみても全てを変えることを許さない。
その意識だけが主人公に引き継がれるだけ。
でも、それだけでも充分だと自分は思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/5c/7738dbce72a4901a256cd2b91136d1be.jpg)
●なぎさの媚薬 1 海の見えるホテル 重松 清/著
わたしを買ってくれませんか―?
渋谷の路地にたたずむ美しい娼婦・なぎさを抱いた男たちはみな、不思議な夢を見る。
青春時代に戻って、忘れられない女性と再会するのだ。
今夜もまた一人の男が、なぎさに導かれて長い夢を見る。
八坂敦夫は、中学時代の同級生・ミツコと再会した。好きだった。
あの頃は抱けなかった。だから、いま、抱きたい。愛し合いたい。
そして、現実では悲劇が待ち受けていた、ミツコの運命を変えたい…。
青春のせつなさあふれる官能小説。
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重松 清に集中して読んでます。
こちらは週刊ポストに連載されていた官能小説。
これも、なぜか「流星ワゴン」のように過去へタイムスリップしちゃうんですねぇ。
同様にやり直しの機会を与えらる。
でも、それは自分に対してではなく
過去にさかのぼった相手に対してだけ未来(現在)を変えることができる。
そう言うエッセンスを含んだ男の夢想本です。