残像モノクローム

遠い記憶の彼方にある故郷。
そして今、こころに渦巻く断片の想いを。
と、思い始めたのですが・・・。

8月の読書

2012年08月31日 12時09分05秒 | Weblog



●遥かなる水の音 村山 由佳/著 集英社

パリで、ひとりの青年が死んだ。
最期をともに過ごした同居人は、ゲイの中年フランス人だった。
青年の遺言は「遺灰をサハラにまく」こと。
青年の姉や友人、同居人は、遺言を叶える旅に出るが…。
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この設定はこの著者ならではの感じ、でも最近のエロチックさはほとんどない。

でも、この埋葬の旅はとても感慨深い。

死んでしまった青年の魂のつぶやきが俯瞰から
登場人物の心情をおもんぱかる。

いい本だなぁって思える。






●愛妻日記 重松 清/著

奥様には隠れて読んでほしいのです-。
R-18指定。夫のゆがんだ情欲を描く性愛小説集。
『小説現代』に直木三十六名義で掲載された作品を大幅に加筆し、改題して単行本化。
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家族の物語を描く作者ですが
その物語では書かれない、表現していない夫婦間「男女の性」を
描きたいと言う作者が、別名で書いた官能小説。

この本が面白いかどうかは別にして
日ごろ本を読んでいて感じていた物語の中にいる夫婦や恋人には、
男女のドロドロとした欲求ってないのだろうか?
聖人君子のような主人公でなければ
物語の中心に入って来れないのだろうか、
と、感じていたので
こういう正直な作者がいて、いいなと。







●流星ワゴン 重松 清/著

ひきこもり、暴力をふるう息子、浮気を重ねる妻、会社からはリストラ寸前…そんな37歳・秋。
「死んでもいい」と思っていた僕は、ある夜不思議なワゴン車に乗り、
自分と同い歳の父と出会った-。家族小説の新境地を拓く長編。
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同じく、愛妻日記を書いた重松 清さんの作品。

主人公のように「人生の心残り」って自分にもいくつかある。
物語の中のように、そんなターニングポイントを
もう一度やりなおしてみたいと思うのは誰にでもある。

でも、この物語は
やり直してみても全てを変えることを許さない。

その意識だけが主人公に引き継がれるだけ。

でも、それだけでも充分だと自分は思う。






●なぎさの媚薬 1 海の見えるホテル 重松 清/著

わたしを買ってくれませんか―?
渋谷の路地にたたずむ美しい娼婦・なぎさを抱いた男たちはみな、不思議な夢を見る。
青春時代に戻って、忘れられない女性と再会するのだ。
今夜もまた一人の男が、なぎさに導かれて長い夢を見る。
八坂敦夫は、中学時代の同級生・ミツコと再会した。好きだった。
あの頃は抱けなかった。だから、いま、抱きたい。愛し合いたい。
そして、現実では悲劇が待ち受けていた、ミツコの運命を変えたい…。
青春のせつなさあふれる官能小説。
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重松 清に集中して読んでます。

こちらは週刊ポストに連載されていた官能小説。

これも、なぜか「流星ワゴン」のように過去へタイムスリップしちゃうんですねぇ。
同様にやり直しの機会を与えらる。

でも、それは自分に対してではなく
過去にさかのぼった相手に対してだけ未来(現在)を変えることができる。

そう言うエッセンスを含んだ男の夢想本です。

遠幌町・北夕町 -夕張キャンプ-

2012年08月30日 15時09分33秒 | Weblog


2日目の早朝、電柱に鷲でしょうか?
ピントがあってなくて確認できません・・・。

昨夜は、にぎやかすぎる団体の歓声がおさまり寝付いた頃
グラグラと・・・・、地震です。
日高方面で震度5、空知全域で震度3の揺れ。

のんびり後片付けして大夕張方面へ。

途中、脇へそれ遠幌方面を散策。

遠幌郵便局から山の方へ農道を上ってみました。



ため池があり
きれいな睡蓮の上をオニヤンマが5,6匹飛び交っていました。



セイタカアワダチソウの向こうには北夕炭鉱のズリ山が見えます。



十亀和橋を渡り北夕町へ。



清湖町側にこんな施設が残っています。





石炭かズリを運ぶコンベアーでしょうか?





山葡萄がたわわに稔って
機械を覆い尽くしています。



北夕町の川沿い。





アオサギが茂みにじっと隠れています。



十亀和橋のたもとにはオオハンゴウソウ。



古い夕鉄バスも静かに佇んでいます。



トンネルを抜け新国道。



白銀橋付近もオオハンゴウソウやセイタカアワダチソウで
黄色く染まります。
そして、着々と工事は進んでいます。



クロはいないかと探しましたが・・・。



かわりにいたのはキタキツネ。



清陵町と宮前町を繋ぐ夕張小手前の橋。



今回は橋の下から。

子供の頃、何度も渡った懐かしい橋です。

清水沢神社 -夕張キャンプ-

2012年08月30日 10時25分06秒 | Weblog
8/26で夕張高松キャンプ場は今シーズンの営業終了、
もうちょっと営業してもいいのにねぇ。

そんなんで、行っちゃいました。



清水沢神社。

中学、高校の時は
毎年大晦日、紅白が終わると清則とお参りしてたなぁ。
途中から伊賀くんやムッチョも加わったりして。

お参りの理由ってのは特別無かったけど
御神酒をちょびっといただけるのがうれしかった。



毎年、この急な坂を登ってね。





こうしてあらためて狛犬を見ると上品な顔つきをしています。



軒下にも木彫りの狛犬がいます。



神殿脇にお稲荷様・・・。



神社裏には青梅がまだ実をつけていました。


あんまり暑いので



平和のズリ山脇の川辺でひと息。





こうしてみると、暑さを除けば
秋の気配が夕張にも漂っています。



高松のキャンプ場に到着です。(ちなみに我が家のテントではありません)



子供たちはトンボ取りに夢中です。



見上げてみると空にはトンボが数知れず・・・。
黒い点々に見えるトンボは皆、同じ方向へ向かっています。



今回ホーマックで処分セールしていたスモーカーを持参。

何度か、100均の土鍋や段ボールでチャレンジしてきた
燻製づくりに今回も挑戦。

燻製はうまくいったのですが
塩抜きに失敗したため、どれもしょっぱい・・・。

チーズだけ、まとも・・・でした。

蓮・向日葵・湯

2012年08月22日 10時21分21秒 | Weblog
この夏はシャワーばかりで
全身を湯船に浸していない、そんな訳で温泉に行くことに。



旧島松駅逓所(クラーク記念碑)の横を通ると
めったに人がいないのに
なぜか人が集まっており、気になってみてみると



これはこれは、見事な蓮の花!







こんなに見事な蓮の花ははじめて。
ちなみに道庁に咲いている蓮は
ここの蓮を移植したものだそうです。



北海道稲作の発祥地でもあるそうで
小さな田圃に稲が植えてありました。



クラーク記念碑。

恵庭の道の駅にはひまわりの迷路が出現。





長沼よりの千歳にある松原温泉で
たっぷりと浸かって参りました。

http://www.yumeguri.com/tabi/0108/matsubara.html

お湯は真っ茶色で2~3センチほど先は全く見えないほど、
でもツルツルの感触はものすごい。

めちゃくちゃ温まります!

西岡水源地

2012年08月21日 15時27分10秒 | Weblog
8/18土曜、今日はちょっと二日酔い気味。

前日高校のクラスメイトと楽しい飲み会でありました。

そんな状態なので近場の西岡水源地へ。



カモがお出迎え。



線香花火のように
白い花弁が宙に舞います。



名前の知らない昆虫や植物がたくさんいて
なんとなく図鑑が欲しくなってしまう。











アマツバメの水飲みを見たいと思っていたんですが空振り、
そしてここ西岡水源地にも熊が現れたそうで、夜間、早朝の散策は止められています。

生きもの見物の後は、いつものラーメン常へ。



鶏ガラ醤油500円の追い煮干しオプション。
やっぱ、旨いっす!



こちらは奥、注文の味噌500円にエビあぶらオプション。
醤油にエビあぶらオプションより
こちらの方がばっちり合います!

ちなみにオプションは無料なり!!

北上-幌加内のソバ

2012年08月16日 10時34分49秒 | Weblog
12日、奥方の実家から幌加内へ足を伸ばした。



畑という畑は、ほとんどソバ。



ごく稀に水田が見かけられる程度。





ソバの花が満開で白い畑がどこまでも続く幌加内です。



はじめてやって来た朱鞠内湖。



遊覧船に乗りましたが内側を小さく回るだけで約30分。
相当にでかい人造湖です。

訪れる人もかなりいるようです。



キャンプや釣り、ボートとかなり遊べそうなポイントです。



今は廃線になっている朱鞠内の駅舎。
パークゴルフ場の受付とバスの待合所になっていました。

そうそう、幌加内の道の駅にあるそば屋さん、
めちゃくちゃ旨いです!
ソバの甘みをあんなに感じたのははじめて!!
ちょっと辛めのタレでいただきます。

絶対のおすすめです!!

7月の読書

2012年08月06日 13時22分38秒 | Weblog




●夕張の郷  民主文学館 小縄 竜一/著

男たちの、女たちの怒りがあり、たたかいがあり、愛があり、夢がある。
夕張に生きた坑夫が、ヤマと仲間に送る短篇集。
働く者の生活と生命を噛み切ってふとる独占資本への憤怒を込めた全13篇を収録。
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昭和30年代生まれの自分たちには知らなかった夕張-炭鉱-の歴史があった。

こういうことがあったと遠い昔のような話を聞いた覚えはあったのだけれど
ほとんど記憶に残っていない、悲惨なことがたくさんあったとこの本で知ることとなった。

コリアンの血を引く同級生もいたし、気持ちの上ではなんの違和感もなく大切な友人だった。
彼女はなにも語らなかったけれど
過去にはいろんな差別があり、自分を知るために中学卒業後、朝鮮学校へ進学した。

夕張の、炭鉱の、負の歴史を読み解くことも必要なのだと知る一冊だ。

ちなみに表紙の絵は、中学時代美術の先生が描いたものだ。







●花嫁  青山 七恵/著

兄さんが今度、お嫁さんをもらう。あたしは断固反対。唾棄すべきことだ…。
兄と妹、夫と妻、親と子。固く結ばれた絆の裏には、淫靡で怖い秘密がある。
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和菓子屋を営む一家4人。
それぞれに血にまつわる秘密がある。

長男の婚約から、そのひとつひとつが明かされていく。

けっこう面白く読めましたが
中盤からネタの予測が付いてしまうのがちょっと残念。






●しあわせのパン ポプラ文庫 三島 有紀子/〔著〕 ポプラ社

北海道の静かな町・月浦に若い“夫婦”が営むパンカフェがあった。
実らぬ恋に未練する女性、出ていった母への思慕から父を避ける少女、
生きる希望を失った老夫婦が次々と店を訪れる。
彼らを優しく迎えるのは、二人が心を込めて作る温かなパンと手料理、そして一杯の珈琲だった。
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ご存じ、大泉洋と原田知世が主演の映画の原作。

この文庫本には、物語の伏線として使われる童話「月とマーニ」も収録されている。

人は誰かに支えられていて、また誰かを支えている

そんなあったかいお話し。

この本を読むと
月浦で湖に映る月の反射でできる小径を歩いてみたくなってしまうこと
間違い無しでしょう。