残像モノクローム

遠い記憶の彼方にある故郷。
そして今、こころに渦巻く断片の想いを。
と、思い始めたのですが・・・。

6月と7月の読書

2017年08月02日 10時52分14秒 | Weblog
何かと忙しくてすっかりプログ更新出来ませんでした。

さらに天気も週末になると崩れ
写真撮影にも出かけられず
すっかり放置されておりました。











●オレンジの壷 上  宮本 輝/著
●オレンジの壷 下  宮本 輝/著

佐和子は25歳。離婚したばかりの彼女は、10歳の時に死んだ祖父が残した日記を急に読みたくなった。
祖父にはパリで生ませた娘がいた!
彼女はパリに旅立った。それは彼女の生き方を変える激動の旅となった。
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★★★★☆


ネタバレになるが、オレンジの壺というタイトル、
何かしらの壺の事なのかと読み進むが
とある暗号名である。

この暗号名を受けるとる理由、そこに隠された祖父の秘密が
主人公をの生き方を変えていく。











● ママの人生 和田 裕美/著 ポプラ社

田舎のスナックで働くママは、いつも仕事と恋に忙しい。
ときに、子どもを置いて男と出奔。
そんな母に翻弄されながらも、「わたし」は人生でもっとも大切なことを学んでいく-。
実の母をモチーフに描く、著者初の小説。
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★★★★☆


一見、自堕落に見える母に育てられる主人公。
それを反面教師とし、あるときは恋愛の先輩として人生訓を学び大人になる。

生きるために必要な知恵というか、無骨な愛を感じ取る主人公と母の物語。

最初は うーーん と思いながらも読み進むと
なかなか味のある良い一冊でした。









● 三千枚の金貨 上 宮本 輝/著 光文社

斉木光生は、5年前に末期ガンの患者から不思議な話を聞かされた。
和歌山県の桜の巨樹の根元に、三千枚の金貨を埋めたという。
「みつけたら、あんたにあげるよ」と言われた記憶が蘇り、斉木は会社の仲間2人に話をするが…。

● 三千枚の金貨 下 宮本 輝/著 光文社

斉木たち3人に、謎に拘わる女性・室井沙都を加えた4人は「宝捜し」を進めていき、和歌山の地に辿り着く。
その過程で、金貨を埋めた男・芹沢由郎の数奇な人生が彼らの前に浮かび上がる。
金貨が語る膨大な物語の結末とは…。
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★★★★★

大人のおとぎ話が突然降って湧いてくる。

自分だったらどうするだろう・・・。

人はお宝よりももっと大切な物が見つけられるのだ。
身の回りに、ふっとした景色の中に。






● 長流の畔(ほとり) 「流転の海」第8部  宮本 輝/著 新潮社

昭和38年。66歳の松坂熊吾は金策に窮していた。
社員に会社の運転資金のほとんどを横領されたのだ。
そのことは同業者にも漏れ伝わり…。
戦後の時代相を背景に父と子を描く「流転の海」第8部。『新潮』連載を単行本化。
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★★★★★

さぁ、どうなるんだろう?

熊吾たち一家のこれからは・・・。

あとラスト一巻。









●鴨川食堂おまかせ 柏井 壽/著 小学館

思い出の「食」を捜してください-。
上京する日の朝に飲んだ味噌汁、大事な約束と一緒に贈られたおにぎり…。
鴨川食堂には、今日も人生の迷い人が訪れる。
美味しいミステリー第4弾。『STORY BOX』掲載に加筆。
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★★★☆☆


TVで演じたショーケンが頭をよぎります。

まぁ、お話しは定番の形態で
ミステリーなんて言うのはおこがましい気もするのだが
肩の凝らない美味しい短編ストーリーです。







● ロマンシエ 原田 マハ/著 小学館

美智之輔は、恋愛対象が同性の男子。日本の美大を卒業後、一路パリへ。
アルバイト先で人気小説家の羽生光晴と出会い、彼女が滞在しているというリトグラフ工房に連れていかれるが…。
『きらら』掲載を単行本化。
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★★★★☆

今までにないキャラ登場。

途惑いながらもついつい読み進んでしまうライトな感覚の
アート小説です。










● ヒカルの卵 森沢 明夫/著 徳間書店

養鶏農家でお人好しの二郎は「たまごかけご飯専門店」を開くと決意した。
しかも、限界集落からさらに山奥に入った森のなかで…。
小さな山村に暮らす愉快な面々が繰り広げる、笑って泣ける物語。
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★★★★☆


ほのぼのとした心持ちをくれる一冊です。

世の中、こんな感じでいてくれたなら
なんて素敵なんだろう。

森友も加計学園問題も、バカヤロー議員もいない住みやすい世界になるんだろうなぁ。











● 異邦人(いりびと) 原田 マハ/著 PHP研究所

画廊の青年専務と結婚し、出産を控えて京都に長逗留していた菜穂は、
気分転換に出かけた老舗の画廊で、一枚の絵に心を奪われ…。
若き画家の才能をめぐる人々の「業」を描く。『文蔵』連載を加筆・修正。
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★★★★★


この作家さんの神髄が味わえる逸品。

本領発揮というのがヒシヒシと伝わるオススメの一冊だなぁ。