月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ルクバー・10

2015-08-22 05:25:53 | 詩集・瑠璃の籠

人類は
いやというほど
傲慢の鼻を折られるだろう
今までは自分たちが
地球上で最も進化したものだと思っていた
その慢心が棲みついていた頭蓋を
いやというほど叩き割られるだろう

あらゆるものが
助けてくれなければ
まともに人生を生きて行けない
そんな馬鹿がたくさんいるので
地球の自然界は愛ゆえに
人類の生を助けていたのだが
あまりにもひどいものを見たので
あらゆる存在が
人類にあきれている
もはや猶予はない

多くのものが
人類への愛から撤退してゆく
憎悪の犬を駆り
自然界のツボをついて
法則の海をあふれさせている者もいる
それを見た者たちも
もう人類のために
がんばってきたことをやる必要はないのかと
迷い始める

最後の天使が生きていたら
まだこんなことにはならなかったはずなのだ
人類がかのじょのために
よいことをしてくれれば
こんなことにはならなかったのだ

あわれなものたちよ
ずるとワルであらゆるものを従え
神さえも支配して魔王になろうとした
大馬鹿者よ
何もできない自分一人を抱いて
どこにゆく
猿のような性欲をもてあまし
女を探してさまようのか
だがもう二度とかのじょは帰っては来ない
女はダフネのように変容して
神秘の森の中に消えた

ありとあらゆるものを
破壊しておきながら
責任もとらずに逃げるつもりか
そうはいかぬ
法則の鬼は おまえの首を捕まえ
哀れなものたちの住む
永遠の河の向こう岸に放り投げるだろう
二度と愛の世界に帰って来ることはできない

呆れた馬鹿は野辺にゆけ
愚か者の森にゆけ
そこでは奇態な緑の木々が
おまえを枝で突き刺して
これが馬鹿かと
大笑いすることだろう



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ラスアルゲティ・13

2015-08-21 05:23:28 | 詩集・瑠璃の籠

泥と槍の嵐の時代を
くぐり抜けてきた
腐水と糞の激流の中を
泳いできた
すべてのことは無駄だったのか
いや 結論を出すのは
わたしの仕事ではない

すべてを救おうとしていた女を
エサにして食おうとした豚どもは
果たして自分が炎の中で生きているのに
気づいているのか
もうすでにそれはおまえたちの足に
たどりつこうとしているのに

馬鹿をやるとどうなるかということを
何度も何度も教えて来たが
まだそれすらもわからないのか

なにもかもが無駄だったとしても
なにもかもをなしてきた自分だけは
自分の中にある
それが最も尊い収穫だと
かのじょは言った
わたしもそれに習うとするか

最後まで心は届かなかった
愛を知る人間はいないわけではないが
ここは馬鹿によって
あまりにもひどい苦界に落ちた
馬鹿が痛ましい糞をあちこちにひっては
それを拾って馬鹿が食うている
金だと思って食うている

真実を語る口に
一度でも耳を傾けてくれる者がいれば
ここまでひどいことにはならなかったろうが
もうすでに遅い
やらねばならぬことは
やらねばならぬが
終わればわたしは去ってゆく
すべてはおまえたちのためなのだ
なぜなら わたしのような者もいるという現実を
おまえたちは知らなければならないからだ
全ての愛が おまえたちのために
永遠に耐えてくれるわけがない

もう二度と おまえたちを
愛することはないだろう
すべてが無駄だったかどうかは
いずれ
金の牡鹿がわたしにもたらしてくれるだろう

すべての人間の心臓を知っているそれは
優雅な角に鈴を鳴らし
わたしを目指してやってくるだろう

悲しみも 喜びも
美しい鹿の目に溶けて
わたしはその涙を盃にうけ
そっと口をつけることだろう





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サダルメリク・3

2015-08-20 05:39:50 | 詩集・瑠璃の籠

大陸は沈むのではない
古いアップルパイのように
ぼろぼろに腐ってきて
全体がくずれてくるのだ

あるようでない
ないようである
鉄の都市の中で
安楽な暮らしを営みながら
胸の中は憎悪に燃えている
もうがまんがならない
だが何にがまんがならないかというと
とんとわからないのだ
おまえたちには

終了の笛は鳴り続け
風と共に流れて
おまえたちの頬に触れていく
つめたい虚無感が
虫のように胸の中で痛む
何もありはしない
何も
どんなにたくさんのものがあっても
欲しいものなど
本当は何もありはしないのだ

黒い泥の酒を飲みながら
ひねた酒場の奥で獣のように眠っている
どこかに行くことができたら
そんな夢を見ていると
夢の中で誰かが呼ぶ声がする
するとおまえたちは
悪夢から逃げるように
恐ろしい悲鳴をあげて
むりやり目を覚ますのだ

いやだ いやだ
ありきたりの 人生でいい
スーパースターなんかになりたくない
平凡で つらいことのない
普通の人生でいい
それくらいでいいから
どうか許してくれ

おまえは叫ぶ
もう限界を百度超えても許してきたが
まだ許してくれというのか
愚かな

だが
おまえたちが自己存在の光明を見るまでは
少しはなんとかしてやろう
しかし すべては後で返さねばならない
自分は何もしないで
神に創ってもらった時代に
ちゃっかりと安住することは許されないのだ
この大難の時代が過ぎれば
必ず心改め
自らの道を自らの光で照らし
すべてを自分で返して行け

民主主義は沈むのではない
巨大なアップルパイが
ぼろぼろに腐って来るように
全体がくずれてくるのだ

あっけなく 嘘がばれるのだ



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サビク・11

2015-08-19 05:54:22 | 詩集・瑠璃の籠

蝶々は
神さまがこの世に投げた
不思議な手紙

すべての虫は
神さまがこの世に書いた
美しい文字

なんて書いてあるかは
すぐにわかる
目を美しくして
感性の花を開き
じっと感じてごらんなさい
すぐにわかりますから

神さまがあなたに言いたいことを
不思議な筆で風に書くと
それはちょろちょろ動き出して
小さな虫になってあなたの元にやってくる
虫たちは 神さまが
この世界という紙に書いた
生きている文字

見てごらんなさい
聞いてごらんなさい
神さまの心を
信じているなら
きっとわかるはず

蝶々は神さまの手紙




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アークトゥルス・12

2015-08-18 05:26:37 | 詩集・瑠璃の籠

永遠にそこにあるはずの
巨大な亀の大陸が
すべった

永遠に正義であるはずの
白い猿の仮面が
すべった

永遠に真実であるはずの
超人のたくましい足が
すべった

同じことが毎日
平凡に続いていく
そんな現実はありはしない
人生がすべて勉強のためにあるのなら
人は誰も
生と死の国境の上で一度は悩み苦しまねばならない
湧きあがる法則の炎の中へ
自ら飛び込んで行かねばならない

痛いのはいやだ
苦しいのはいやだと
逃げ続けていれば
永遠にその苦痛は続く
そして借金の影に脅えながら
絶望の谷底に一人取り残され
そのまま全てのものに忘れられることになる

観念せよ
もうおまえの時代は終わったのだ
だれもおまえを信じはしない
虚偽の中では人間は生きて行けない
あきれかえる馬鹿をやった人間は
心改め 初めからやり直すための
勉強を始めなさい

魔王気取りで
いたれりつくせりの暮らしをしていた
おまえには難しいことだろうが
すべてのひとに
下僕として仕え
奴隷と呼ばれても
よろこんで従わねばならぬ

逃げるではない
逃げれば逃げる程
自分が恥ずかしくなる
何もできない馬鹿のまま
永遠に生きることになる

全ての仮面を捨て
盗んだ宝石を返し
本来の自分に目覚め
新しく生き直すために
立ち上がるのだ

永遠にそこにあるはずの
巨大な亀の大陸が
すべった
もう二度と元にはもどらない



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ベラトリックス・11

2015-08-17 05:42:02 | 詩集・瑠璃の籠

いつまでもいつまでも
人間が地球で一番偉いと
偉そうにしていてはいけません

あなたがたは
地球創造活動
地球霊的天然システムについて
まだほとんど何も知らないのです

あなたがたが
地球霊的天然システムを無視して
勝手にやり続けてきたことが
どんなことになっているかさえ
あなたがたはまだ何もわかっていないのです

いいですか
あなたがたはまだ勉強が足りなさ過ぎるが
やらねばならないことは
あまりにもたくさんあります
わたしたちはそれをあなたがたに教えるためにも
やってきます
時には あなたがたが
なぜそんなことをせねばならないのかと
疑問をもつことさえ
あなたがたにさせることがあるでしょう
それはまだ あなたがたに教えることのできない
古い時代のあなたがたの馬鹿の償いなのです

苦悩はあるでしょう
痛みはあるでしょう
幸福をちぎられるように盗まれるでしょう
石炭のように己が罪を焼いてあぶられ
あまりに辛い思いをすることがあるでしょう
だが 憎んではなりません
すべては あなたがたがしたことの償いなのです
先達の愛に学び
神に感謝し すべてを神にささげ
痛みの中を自らの力でかき分けつつ
生きていくことに 少しずつ
心の喜びを調整してゆきなさい

明らかな罪に 正義の衣をかぶせて
本音と建前を分けて
ごまかすことはもうできないのです
真実は常に一つ 
あなたがたはもう嘘をつくことはできません
なぜなら それ以上嘘をついたら
嘘があなたがたを殺すからです
もうやめなさい

泥のように嘘で汚れた我が身を洗い流し
どんなに苦しい難が待っていようとも
正しい道を生きなさい
それがあなたがたにとって最もよいことなのです





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アルマァズ・29

2015-08-16 05:22:06 | 詩集・瑠璃の籠

人生は
幸せになれて当然と
考えてはなりません

人生とは あくまでも
魂の勉強のためにあるのです
ですから
人生の試練は当たり前のことだと
思いましょう

これくらいの壁は
一月もあれば越えられるだろう
などと軽く思ってはなりません
人生の試練は
一生かかって越えるものだと
思いなさい

なぜなら 自分というものを
変えてゆくには
当然それくらいの時間はかかるからです

若い時を 無駄にしてはいけません
遊んでばかりいて
勉強から逃げていると
ある日突然足の下が割れて
奈落に落ちるという経験をすることがあります

人生は まるごと勉強なのです
いろいろなことがあります
その都度その都度
痛い人生経験をして
自分というものを感じていく
それが勉強なのです

自分の不幸を他人のせいだと
思ってはなりません
それはあなたがたの
法則上の反動がほとんどなのです
苦しみに耐え 屈辱に耐え
獣じみた感情の中から
まだきれいに生まれきっていない自分の魂を救うために
不幸というものがあなたのもとにやってくるのです
もし その不幸がやってきたら
あわてて逃げたりせず
よろこんで迎え
その難を乗り越えるために
日々努力していきなさい

人生は幸せになるためにあるのではない
真の幸福とは何かを勉強するためにあるのです
そういう意味で
幸せな人は 不幸な人です
幸せである限り 決して本当の幸せには
たどり着けないからです

自己存在の真の幸福は
豊かな暮らしや幸福な家庭からは生まれません
どん底に落ちるほどの苦しい闇の中から
ある日切れるように自分を裂く
涙から生まれてくるのです
新しい自分の目覚めの瞬間です
それを解脱というのです

難しいことと自分は関係ないなどと
考えていては
いずれ幻の夢の中にひとり取り残されてしまいます
試練を受けなさい
一生をかけて 自分と戦いなさい
勉強とはそういうものなのです



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アークトゥルス・11

2015-08-15 05:40:11 | 詩集・瑠璃の籠

あっても意味もないものを
人間はまだ作り続けている
煮え過ぎてこびりついた
糞のようにしつこいものが
まだだ まだだと
人間たちにささやいている

まだ おれたちは
負けていない

大馬鹿者め
終わった試合をまだやるつもりか
おまえが挑んだ時点で
負けることになるということは
わかっているだろうに

虹色の光で照らした
銀色の都市が 瞬時のうちに
二千年前の遺跡に変わる

あれの本当の姿を見た時
人間たちは
自分達は一体何をしていたのかと
驚くことだろう

すべては
あ  い  の
代わりになるものが
欲しくて 作ったものだ
好きなのに 嫌いだと言ったことが
自分の心臓を傷つけて
痛くてたまらない
ほんとうに好きだった人が
逃げてゆく

あたりまえに 自然に
好きだと言えばよかったのに
それができなかった
どうしても 自分から
好きだということができなかった
愛しているのに 愛していると
言えなかった

馬鹿が それだけで
生きている事自体が
無意味になった
好きな人がいなければ
生きていても 何もない

あんなものは 馬鹿なんだと思って
馬鹿にしなければ
自分が馬鹿になってしまう
すべて 男がやったことは すべて
凄いものを作って
女をおびき寄せると
そんなことばかりだったのだ

悲しいものが増えている
女性が滅んでしまったので
生きるために必要だと思って
作られてきた たくさんのものが
在っても無駄だというものになってしまう

世界はこのようにして終わる
とっくに幕は落ちていたが
おまえたちが仮面を離さなかったので
まだ続編を いや続編の続編を
踊っていただけだったのだ
ボレロの ように

さあ どうすればいい
何をすればいい
わかるかな
人類よ



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優勝

2015-08-14 06:27:20 | 詩集・空の切り絵・別館

いちばん 欲しかったのは
愛する人
そして わたしの愛を
わかってくれる人

そんなこと 無理だって
わかったのは
結婚して間もなくの頃
男の人は
女が思っているほど
大人じゃなかった

がんばって 
やっていくしかない
自分の心に我慢させて
これが幸せなんだと
強引に思わせた
涙が出たけれど
泣きたかったということを認めるのは
もっと年をとって
知恵も力もついてきた頃の
自分にまかせることにした

空がわたしのところにきて
抱き締めてくれた
海がわたしのところにきて
心の傷をなめてくれた
風がわたしのところにきて
悲しみを半分さらっていってくれた

だれかが助けてくれていると
感じる時は
神さまがいるんだと思って
胸が暖かくなった
そうしたら つらくても
生きて行けるって思えた

ふたりでいればいる程
わたしは孤独になって行く
それでもほほえんで生きて来た
だってわたしが馬鹿になったら
みんなが不幸になるでしょう

女の人は
言えないことが
いっぱいあって つらいからね
笑って生きて行くしかないの
どんなに悲しくても
つらくても
みんなの幸せのために
笑って生きて行くんだよ

そうやって ずっとがんばっていたら
ある日とつぜん神さまがやってきて
言ってくれたの

がんばったね
きみの優勝だ



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唯一神

2015-08-13 06:09:04 | 詩集・空の切り絵・別館

勉強しなくても
手っ取り早く
いいもんになりたかったんだよ
だっておれ
勉強してないから
何もできないから
おれより勉強してるやつ
はめて
つきおとして
ぜんぶだめにして
おれが勝つんだ
おれが強いんだってことにして
それで全部やることにしてたんだよ

人間なんて 馬鹿ばっかりさ
天使だって 馬鹿なんだよ
おれが一番強いんだ
えれえ馬鹿やって
ぜんぶだめにして
ぜんぶおれが勝ちだって
あっはっはっはっはって
大笑いして
ぜえんぶ馬鹿にしてたんだよ

ゆいいつしんてのは
こういうやつのことを
言うんだってさ

馬鹿ばっかり好きなようにやって
神さまよりも
偉いやつになろうとした馬鹿のことを
そういうんだってさ

おれ かみさまになったの
たったひとりぼっちに
なっちまったんだよ
もうどこにもいくところがない
人間どもに近づいていくと
なんでおまえこんなとこにいるんだって
言われるんだよ
神さまみたいなもんだったら
ほかにいくとこあるんじゃないのって
言われるんだよ

おれ だれにも相手にされないんだよ
女もみんなあっちにいっちまう
唯一神ていうのは
こういうやつのことを
いうんだってさ
一番偉いやつっていうのは
こういうやつのことを
いうんだってさ

馬鹿みたいに偉いやつってのは
みんな
こんなやつばっかりなんだってさ



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