記憶は
灰の水を泳ぐ
宝石の グリザイユ
すきとおってゆく
とまらない
涙の 痛みも
わからないほど
しびれて ながれてゆく
すべてが
すべ ては
愛の 中で
静かに かすかに
太ってゆく 白い真珠の
静かな 声の
語る まこと
ならば
ああ
なにもかもは
これでよかったのだ
記憶は
灰の空を 流れる
青い雲の ため息
ながれてゆく
ながれてゆく
(あげるよ と
さしだした
わたしの
しろい飴を きみは
いらないといって
はねのけたのだ
あのとき)
いいんだよ すべては
わたしは
なにもいらないから
ああ でも
とうとう
ここまで きた
あいしているよ