月の岩戸

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レオナルドの肖像

2013-12-18 05:07:26 | 虹のコレクション
No,38
フランチェスコ・メルツィ、「レオナルドの肖像」、16世紀イタリア、盛期ルネサンス。

レオナルド・ダ・ヴィンチの弟子の中では、アンブロージオ・デ・プレディスやベルナルディーノ・ルイーニがまだ優秀だが、どの絵がいいかと考えると、これが浮かぶ。

メルツィは画家としては三流に入るが、これは大変貴重な絵である。

一般に、レオナルドの自画像として認識されている赤チョークで描かれた老人の絵は、レオナルドの自画像ではない。現代にも残る、冷徹な天才だと言うレオナルドに対する誤解は、あの自画像とされる絵のイメージから生まれてきている。しかし本当は、このメルツィが描いた絵が、レオナルドの実像なのである。レオナルドはこのように、年老いてもなお、青年のようなすがすがしい目をした実に美しい人だった。

メルツィはたいへんレオナルドを敬愛していた。その愛が、この絵に現れている。

極上の技術で人間を描いたレオナルドの「モナリザ」との対極とも言える。

つたない技術だが、人間が愛の心をもって、レオナルドを描いている。



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