愛があなたから退いてゆく
最初はおずおずと
やがてきっかりと背を向けて
去ってゆく
あなたが
自分にも世界にも
汚い嘘をついて
決して本当の自分を
生きようとしないからだ
あなたが
一片の嘘を作るために
たくさんの人間の爪をはいで
苦しめているのに
それを恥じることさえしないからだ
表向ききれいな人間のふりをして
心の陰でいやなことを考えている
人間なんて馬鹿だから
自分のために利用してもかまわないのだと
ああなんといやなやつだろう
愛が離れてゆく
こんな馬鹿者は
永遠にいやだと泣きながら
逃げてゆく
もう二度と愛は
あなたを愛しはしない
あなたのために何をすることもない
愛を馬鹿にし
肉のように貪り食い
すべてに君臨して
自分だけの永遠の幸福の城を
この世に建てようとした馬鹿者よ
愛が一斉に
あなたを拒否する