嘲笑と嫉妬を吸い込んで
濁った色に染まった両目を
きょろきょろと動かしながら
どこかに他人の馬鹿がないかと
ゴミ拾いのように背を丸めて生きている
自分以外の人間はすべて馬鹿でなければ
生きるのがおまえは苦しすぎるのだ
人間よ あわれなやつらよ
罪の神の青い吐息が
おまえの脳味噌を凍らせてゆく
馬鹿ばかりが藁のように詰まった
脳髄は石のように縮んで
裏の世界の水に浮かんでいる
まだ生きていくつもりか
青薔薇の死のように
生きれば生きるほど
自分を殺し続ける
鉛の人生を生きていくつもりか
氷のたまごの中に真実を閉じ込め
虹のような反物質で偽物の真実を作った
あふれるほど悪いことをやっても
嘘ばかりついて人をだましても
べつに間違ってはいないのだと言う
あるはずのない水の太陽をあがめながら
おまえの目はまるで鼠のように
勝手に眼窩からはい出して
他人の影を探している
人間よ あわれなやつらよ
苦しくはないのか
生きれば生きるほど死んでゆく
命の叫び声を空耳の向こうに捨て
流行遅れの冗談で自分をごまかし
石のように引きつって笑いながら
まだ幻の人生を生きてゆくか
人間よ あわれなやつらよ