わたしはあなたがたのために
わたしの見たことを
教えねばならない
わたしは遠き道を下り
かのじょの岩戸を訪れた
かのじょは美しい天使であった
純真可憐な心が
水晶の炎のように胸で燃えている
少女のような男だった
だがわたしが岩戸で見た
かのじょのすがたは
あまりにも惨かった
かのじょにはもう
半身がなかった
心は壊れ果てていた
血しぶきが彼女の皮膚を染めていた
それなのに
かのじょは何もわからず
あなたがたのために
愛の手紙を書いていた
壊れ果てていたかのじょを
ささえ 動かしていたのは
アンタレスであった
なくなってしまったかのじょの
半身はアンタレスがやっていた
壊れ果てていた心のあいた部分を
アンタレスの愛が補っていた
わたしが見たとき
彼らはもう
ほとんど溶け合い
同一の人格のようになっていた
これは惨すぎた あまりにも
耐えすぎたのだ かのじょは
耐えすぎたのだ
わたしは あなたがたへの愛を
主な仕事とするものである
だがここまできてはもう
許すことはできない
あなたがたのために
鞭を用意せねばならない
エルナトの光の元
わたしはしばし
愛の目をつぶり
鞭をもっぱらとする
愛を あなたがたは
侮辱しすぎた
かのじょのすがたは
あなたがたへの
刻印となる
永遠に背負っていきなさい
あなたがたが殺した
小さな娘の姿を