DolphinKnight

Canon EOS-1とEF400mm F2.8LでBlueとThunderBrdsを追いかける日を夢見て

2012 F1 #5 ESP

2012-05-19 17:11:54 | スポーツ

2012esp波乱が波乱を呼んだスペインGPを恒例のラップチャートとギャップグラフで振り返ります。

まずはタイヤから。スペインGPではハードとソフトが持ち込まれ、中間のミディアムは今回はありませんでした。このため、決勝の天候にも寄りますがハード/ソフトのタイム差がレースの鍵を握るので、出来ればソフトは温存したい→下位チームはソフトタイヤで勝負に来るからハードで勝てるか不安→Q1とQ2でソフトを使う→Q3は最小限のラップにする、というつまんない展開を招いたとも言えます。

さて、レースの展開です。ラップチャートを観て気づくのは49周目以降にRAIとGROが見せたとんでもないラップタイム更新です。先行するMAL、ALOがもう一回タイヤ交換すると勘違いしていたことがわかってお尻に火が付いた結果なんですが、気づいた時点で決着は付いていたし、そもそも、チームがガケを恐れて最終スティントを短く設定したことがそもそもの原因なので、今後は川井さんのアドバイス通りに勇気を持って最終スティントを長めにしましょう。

2012esp2後方でここまでベストラップを重ねられればトップ2の立場は危うくなりそうな物ですが、GROとALOが前半で築いたギャップを克服するまでには至りませんでした。そこんとこ、ギャップで観てみましょう。

注目点は9周目まで3位にROSがつけていることと、ROSにGROがべったりと重なっていることです。この段階でMALとALOが築いたギャップが最後まで有効な障壁となり、後半になってベストラップを連発しても崩せなかった、ということになります。

ここでKOBに注目すると、KOBは常にROSの背後を走っていたことがわかります。逆転するなら22周目でVETが脱出、23周目でROSがタイヤ交換した時点でROSとBUTの前に出ることを考えて少なくともBUTより先にタイヤ交換する戦術が使えたはずなんですが、結局最後にタイヤ交換したのでそのまま最後まで抑えられた、という展開です。うーむ、そこまで読まないと勝てないのか・・・

後日談でグラフを見るといろいろとみえてきますが、現場でこの辺に気づいてレポートしてくる川井さんは凄いですね。