今まで出版されたVF-1、VF-19の解説書はマクロスシリーズのアニメ設定を元に記事を作成しているので、それなりに楽しめるれけどもうひと味欲しいな、という方にお奨めです。
本書はVF-1、VF-19が実在する世界で出版された解説書というスタンスで編集しています。となれば、体設計開発時のエピソード、スペック解説はもとより、戦闘時のマニューバ、試作から実戦配備までの全バリエーション、配備先部隊の紹介、パイロットへのインタビューと、航空ファンなら一度は手にする機体解説書の濃いノリ満載です。
たとえば、バルキリーの代名詞ともなったガウォーク形態は、試験飛行で失速事故が発生し、この時脚部のロックが偶発的に解除されたことで生まれた形態という設定は当初からありましたが、本書では当時はバトロイド形態の完成を先行すべきとの意見が優勢だったというエピソードの追加があります。
また、YF-19の前進翼は大気圏航行時の空力改善を狙って採用したが、量産コスト、担当エンジニアの交代により現実路線に移行して量産機の前進翼は小型になってデルタ翼機に近いデザインに移行した、という解説をみれば、マニアはプロジェクトを離れるときのノイマンの感情に惹かれるわけです。
とはいえ、ここまで踏み込んだ解説をすると本編と矛盾する点は多々生じてくるので、そのへんは寛大な心で受け入れてあげましょう。
| ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-19エクスカリバー 価格：￥ 2,730（税込） 発売日：2010-06-02 |
| ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-1バルキリー 価格：￥ 2,625（税込） 発売日：2009-07-14 |