<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

大震災が与える日中経済への影響

2011-03-26 | 東日本大震災
日本政府が3月11日に発生した東日本大地震から2週間が経過した。
日々送られてくるニュースを見るたびに、被災地の皆様の苦難を思うと本当に心が痛む。
同じ日本人としてできることがないか・・・、積極的に考えていきたい。

今回の記事から、この大地震が与える日中経済への影響を考えてみたい。

既に地震による製造拠点の被災や計画停電の影響を受けて、広い産業分野で操業停止や生産自粛の動きが拡がっている。一部産業では、海外企業の経済活動にも影響が及びつつある。被災地域が電子部品の生産拠点だったこともあり、今後も影響は拡大しそうな勢いである。

こうした状況下でも、世界経済はその歩みを止めるわけにはいかない。
これから新興国への生産拠点の移転などが進むのは避けられない情勢にある。

以前、神戸で大震災が起きた当時のことが脳裏をよぎる。
あの当時、神戸はアジア向けの貨物積替え拠点として栄えていたが、震災の発生を受けて一時避難的にアジアの港を利用したところ、さほど問題がないということで、一気にアジア地域の港への貨物流出が進んだ。
現在、日本の港は貨物取扱量でアジア各国の港に遠く及ばない。

今回のケースでも、同じように「とりあえずアジアの新興企業に作らせてみる」という動きが拡がりそうな気配である(現に台湾系の企業を中心に、積極的な営業を展開しているとの情報がある)。その後、どのような事態が起こるのか・・・、考えるだけでも恐ろしい気がする。

しかも、アジアの新興企業の資金力は、いまや日本企業を大きく凌いでいる。
こうした企業群が、今回の事態を「大きなチャンス」と捉えている可能性は十分考えられる。

技術の優位性というのは、言うまでもなく安定的に供給し続けることで保たれる。
そして現代社会はsupply-chain management が重視されており、ひとつの歯車が狂うと国全体の経済に影響を及ぼすことにも繋がりかねない。
日本政府が震災への対応に奔走している状況は十分理解できるが、世界経済への対処も忘れずに行う必要があるのではないか?
世界のライバル企業群は、虎視眈々とマーケットの奪取を狙っている。

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