<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

上海の地下鉄事情からみる中国社会の合理性

2011-05-10 | 中国社会学
今日は、拡張が続く上海地下鉄を中心に話を進めたい。

上海地下鉄は、昨年の上海万博開催を前に急ピッチで建設が進められ、あっという間に世界最長の営業距離を有する地下鉄へと成長した。
いまの路線図は、ざっとこんな感じ。



東京の地下鉄と同じように、放射線状に路線が延びているのが分かる。
既に11号線まで開通しているが、なんと十数年後までに現在の営業距離(400km超)の倍になる計画を有しているというから驚きだ。

上海の地下鉄は、初乗り3元。最長区間で8元(たしかそうだったはず。乗ったことがないので・・・)。
よく北京と比べられるが、北京はどこまで乗っても2元なので、かなり割高感はある。
とはいえ、日本人からすれば最長で100円ちょっとだから、安いものだ。

地下鉄の利便性向上に伴って、朝夕の通勤ラッシュが激しさを増してきた。
特に乗降客が最も多い人民広場駅は、こんな感じ。





でも、日本人が想像している以上に、秩序よく並んでるとも言える。

これには幾つか理由があると考えている。
最大の要因は、駅の構造自体が「利便性」を無視し「並ばせること」を前提に設計されていることだ。
中国はご存知のとおり、人口が多く、所得層の幅も広い。
混雑しているときに、いちいち対応しているヒマなどないのだ。
よって、性悪説に立った理屈が構築される。
並ばせるためには、入口を1箇所にし、フェンスを設置すればいいのだ・・・と。
ということで、出来たフェンスがコレ。



混雑時には絶大な威力を発揮しますが、日本人ならイライラが頂点に達すること間違いなしだろう。



でも、上海で車に乗ったことがある方なら分かるでしょうが、以下のようにスゴイ車の量ですから。



秩序なんかあったもんじゃない・・・。
少しでも隙間があれば強引に割り込み、前に前に進もうとする。
それを目の当たりにしていると、当局の判断にもそれなりの合理性があるような。。。

最後に余談ですが、地下鉄でよく目にする光景をパチリ。



これは、高齢者が無料配布の新聞を回収しようとしているところ。
リサイクルと言えばカッコいいが、大したお金にもならないような気がするが・・・。
こうした高齢者があちらこちらに見受けられる。もしかしたら、健康維持の一環なのかも。



これは、上海の夏の風物詩、ビーチサンダル。
どんなにカッコよく決めていても、履いているものはビーサンだったりするから驚きだ。

中国社会は、よくも悪くも「理」を重んじる社会。
広大な国土と莫大な数の人民を統治するには、「理」が幾つもあっては困るのだろう。

日本は「人に優しい社会」と言われてきたが、ともすると「甘えを許容する社会」になっていないだろうか?
日本の政治の迷走をみていると、そう考えずにはいられない。。。










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