<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

中国における内装工事の信じ難い実情

2012-08-16 | 中国社会学

現在の中国、昨秋から不動産市場の抑制が続いているものの、日本とは比較にならないペースで建築ラッシュが続いている。
まさに「雨後の竹の子のような・・・」という表現がふさわしいかも。。。

筆者の身の回りでも、目の前で開発が進んでいたマンション群でついに内装工事が解禁されることに。
文字どおり、毎日が「内装祭り」のような状態。
工事関係者がどんどん押し寄せてきていますから。。。





そんな様子を、現地事情も交えながらレポートしていきたい。

まずは、どんなマンションかというと・・・



こんな感じ。
中国では標準的な外装ですね。
もっとも、地下鉄の駅からスグのところに位置するため、立地場所の希少価値はなかなかのもの。
既に開発が進んでしまった現在の上海では、地下鉄の駅から至近の場所というのは多くないので。。。

高さのほうも20数階だから、こちらも上海では標準的かと。
日本だとかなり高層マンションの部類に入りますよね。
上海、とにかく土地が少ないし高いので、出来る限り高く高く建物を建てようとする傾向にあります。
日本の建築基準法のように、容積率って考え方があると思うんですが・・・。


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内装工事は当然ながら昼がメインですが、ここ中国では昼夜関係なく工事が進められます。





もっとも、夜何時まで仕事しているのかなんて、分かりようがないんですけど。。。

で、何故こんなことが出来るのかと言うと・・・

ズバリ、工事関係者が施工主の新居で寝泊まりしながら内装工事を進めるからなんです!
うーん・・・日本ではちょっと考えにくいですよね。
ちょっと意地悪な言い方をすると、せっかく新居を購入したのに、最初に生活するのは見ず知らずの内装工事の家族ということになるワケで。。。
実際、ベランダを見ると、洗濯物がたくさん干してあったりしますからね。
ま、中国ではフツーなのかも知れませんが・・・。

しかも、ここ中国の内装業者、さすが商魂たくましいです。
顧客のマンションの窓に・・・



自分たちの連絡先を書いたポスターを貼って、営業活動をしていますから。
いやはや、これを見た消費者のほうが引いてしまうと思うんですけどね。
でも、少しでも仕事に結び付けようというハングリー精神、日本人もほんの少しだけ見習ったほうがいいかも・・・。

ただ、中国の場合、マンションは基本的にスケルトン渡しなので、内装は購入者自身が行うのが一般的。
よって、この内装工事、長期間に渡ることが多く、施工主の目が届きにくい。
いわゆる「手抜き工事」が発生しやすいんですね。
だから、内装工事を発注した施工主が心配になり過ぎて、ストレス過多になるなんて事態も珍しくないらしい。
常にチェックしてないといけないらしいので・・・大変ですね。

そう言えば、筆者も屋外でこのような風景に遭遇。



コレ、明らかに新居に設置するキッチン家具なので、外に置いておくものではないんじゃないかと・・・。
結構雨も降ってるので、このカバーだけでは・・・。
やっぱり信用できませんね。


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しかも、中国の内装工事で困るのは、ハウスシックの問題。
日本でも以前、問題になりましたが、ここ中国ではまだ手つかずの状態。
実際、マンションの転入に伴う内装工事でも、ものすごい化学臭が発生して、頭が猛烈に痛くなりますから。
中国のペンキ、かなり毒素が強いかも。。。

そんなこんなで、中国では内装工事が完了しても、すぐには入居しない、いや入居できないんだとか。
いわゆる「毒抜き」の期間を設ける必要があるんですね。
だいたい1か月半~2か月なんだとか・・・。
ホント、何とか改善できないもんでしょうかね。

もっとも、こういったところに目を付けるのが日本企業。
ウチのマンションのエレベータ内には・・・



日本ペイントのポスターがずっと貼ってあります。
その内容は、有害物質を使用せず、しっかり計測したり、1年間の保証を付けたり・・・と、まさに日本式のサービスそのもの。
いやはや、中国社会の成熟化のためにも頑張ってほしいものです。

見た目だけだと日本より立派じゃないかと思われる中国の不動産。
でも、実際の価値というのは、「健康で快適に暮らせるか?」という点にある。
中国消費者のレベルも日を追うごとに向上している中で、求められているのはサービス提供者側の意識改革だと言えそうだ。

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