<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

上海 加熱するコンビニ戦争4(ファミリーマート)

2012-01-06 | コンビニ戦争

前回のローソンに続いて、今回はファミリーマート。



実は今回の特集を取り上げようと思ったのは、まさに同社の大躍進が目にとまったことがきっかけ。
それくらい、同社の上海での勢いはずば抜けている。

まずは、同社の上海での実績から。

同社、上海第1号店のオープンは2004年。
ローソンと比べると、実に8年も遅れて進出したことになる。
もっとも、これには理由があるようで、同社は1988年に大陸に先駆けて台湾に進出。2011年2月末時点で、2,637店舗も有している業界第2位。
同じ中華圏での豊富な経験が、現在の大陸での大躍進を支えていることは言うまでもないだろう。

こうした積極的な海外展開が実を結び、2009年8月には海外店舗数が国内店舗数を逆転し、2012年2月末現在、海外:9,350店舗、国内外合計:17,598店舗まで成長している。
筆者も、これを取り上げるまで、コンビニがここまで国際展開しているとは知りませんでした。何となく国内産業というイメージがありますので。。。

あわせて、同社はグローバル2万店という構想を掲げていたが、これも2012年度中には達成見込みとのこと。
もの凄いスピードですね@@@

しかも、中国に限って言うと・・・
2004年に進出して6年余りで500店舗を突破しており、その数は日を追うごとに増加の一途を辿っている。
筆者が知っているだけで、軽く10店舗以上あると思いますから。

考えてみれば、コンビニっていうのは「規模の原理」が働きやすい分野。
現在、この業界の収益を支えているのは「中食」と言われる弁当などの販売。
利益率が抜群にいいですからね。
この部分で利益を最大化しようとすると、どうしても「規模」が必要となるワケです。

現在、上海、広州、蘇州の3都市で店舗拡大中だが、今後は内陸部などへの出店も加速させ、2015年度には4,500店(グローバル25,000店)、2020年には8,000店(グローバル40,000店)を目標としているから、現在のスピードなど甘いほうなのかも。。。
ちなみに、この8,000店という数字、現在の国内店舗数とほぼ同じ。
これを考えれば、中国の成長スピードが体感できるというもの。
また、2015年の4,500店という数字は、ローソンの目標1,500店の3倍。
この市場での同社の優位性が見てとれる。

同社の設立形態も合弁だが、ローソンとは異なる。
ローソンが大手国有企業1社との合弁だったのに対して、同社は現地企業の頂新集団、伊藤忠商事、台湾ファミリーマート、日本ファミリーマートという4社の合弁。
頂新集団は、中国大手食品メーカーで、広大な中国市場において既にインフラ網を有している。
伊藤忠商事は、中国ビジネスに精通しており、商社として商材調達などの面でも強みを有する。
台湾ファミリーマートは、既に台湾で成功した同社のモデルであり、同じ中華圏の店舗網として、その経験を最大限に生かすことが可能。
日本ファミリーマートは、総括的な立場で事業全体をウォッチしていくことが可能。
現在の大躍進は、出資者である4社が共通の利益に向けて、それぞれの強みを生かしていくというシステムがうまく機能している結果なのだ。

もっとも、同社の事業が順風満帆か・・・と言えば、現段階ではそうでもない。
収益面でみると、1店舗あたりの売上げは1日8,000元(約100,000円)程度。
2011年度に店舗段階の黒字化、2012年度に事業全体としての通期黒字化を目指しているという状況なのだ。
こうした大手コンビニでも、利益を出していくことが難しい市場だということも分かるだろう。

同社は現在、「ニューマーケット」と呼ばれる地下鉄や空港での店舗を次々に開店させている。



かなり狭いですけどね@@@
しかも、科技館の駅などは改札を挟んだ向こう側にもファミリーマートが開店。
まさにわずか数十メートルの距離。
ただ、見た感じでは客入りも好調な様子。
まあ、必ず人が集まるところですからね。。。
こうした取組みが、同社の新たな収益エンジンとして機能していくことは間違いないだろう。

同社は、店舗網の拡大に向けて、人材育成やインフラ整備にも非常に注力してきた。
この点については、後ほどの総括編で言及していきたい。

現在、上海市内を走っていると、至るところで「全家(ファミリーマートの中国名)」を見かける。
日本発祥のコンビニが中国に根付いていく、コレこそが両国の結びつきの礎と言えるだろう。一日本人として、今後の活躍に大いに期待したい。

次回は、セブンイレブンの事業展開を紹介します。

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