<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

南京出張と最近の掲載記事(中国社会保険加入、タオバオ問題)の続報

2011-10-18 | 中国ビジネス
昨日は南京日帰り出張だったため、ブログ更新ができず。。。
南京は初めて行ったが、ここもご他聞に漏れず、開発ラッシュの模様。
上海にいながら江蘇省の省都に行ったことがなかったというのも恥ずかしい限りだが、それは南京までの距離が作用していたに他ならない。
それが、高速鉄道(上海→北京)が開通したことで、それまでの2時間半から1時間強へと劇的に時間が短縮(勿論、値段は倍増以上)。
もともと江蘇省は中国随一の産業集積地だが、日本にとっては蘇州、無錫、常州といった開発区中心の都市のほうが馴染みが深く、南京には常に「南京大虐殺」という暗い過去がどうしても付きまとう。
しかし、時間距離が縮まったことで、南京市の持つポテンシャルは想像以上に大きくなるのは疑いのないところだ。

ちなみに、南京における高速鉄道の停車駅は「南京南駅」。
山本山みたいな駅名だが。。。
この駅は高速鉄道向けに新規設置されたものだが、その規模は何と「アジア一」!
勿論、乗降客数がアジア一というわけではないので、夜9時の駅構内の状況はこんな感じ。



天井は、何十メートルもあるし、床面積も超広い。
にもかかわらず、画像にあるとおり、利用客はまばら。。。
だって、在来線は南京駅に集中していますから。
ご一緒した企業の方曰く、「ゴルフができそう」。
たしかに。。。
いやはや、お金が余ってるってこういうことを言うんでしょうね@@@

余談はさておき、最近取り上げた話題に動きがあったので、今回は続報を提供したい。

まずは、中国社会保険への加入義務付けの問題。

中国政府は、11月から就業外国人を対象に保険料の徴収を開始することを決定した。
当然ながら日本企業の駐在員も対象となるが、気になるのは保険料率、つまり一体いくらの負担になるのかということ。
この点に関して、報道では「北京市での保険料率は従業員が中国内で得た収入の約4割」と言われている。
ここで、2つの疑問が生じる。
ひとつは、「北京市での・・・」となっており、地方ごとに規定が違う可能性があること。
二つ目は、「中国内で得た収入」というのが、具体的に何を意味するのか?ということ。

地方ごとに扱いが異なる可能性については、以前のレポートでも言及したとおりなので、あとは波及範囲の大きさを考慮して、中央政府が統一的な見解を示すかどうかが注目される。

問題は2つ目の「中国内で得た収入」の意味で、狭義に捉えると「中国内において人民元で得た労働の対価」と考えられるが、広義に捉えると「中国内で受けた労働の対価」とも考えられるからだ。
勿論、後者となった場合、ほぼ全ての駐在員が影響を被ることになり、国全体で考えると相当な規模の負担増となる。
この問題については、政府関係者の交渉による続報が待たれるところであり、日本企業担当者もその行方を注視する必要がある。

ちなみに、日本側は保険料の二重払いが回避できる社会保険協定の締結に向けた交渉を開始しており、今回の措置に関しては「投資環境の激変」を理由に協定締結までの免除を申し入れたが拒否されたとのこと。
ま、これは他国も同じ事情なので、仕方ないでしょうね。
ただ、この協定締結も簡単に進みそうな感じがしないので、数年は負担増になることを覚悟したほうがいいだろう。

次に、タオバオの悪徳業者締め出し問題。



先日のサイバー攻撃を受けても、「会費値上げの方針は不変」と強気の姿勢を固持していたが、昨日あっさり「年会費の値上げを1年間延期する」と発表した。
背景には、予想以上に反発が大きかった零細業者の抗議活動に対する対応と中国商務省による指導があるようだ。
ただ、この延期は既存会員を対象としたもので、新規会員に対しては値上げした年会費が適用される。
結局のところ、とりあえず「問題の先延ばし」ということで、いかにも中国社会らしい決着。
しかも、商務省の指導も背景にあることから、いかにこの国の公権力が絶大か・・・ということも垣間見える。
何はともあれ、こういった問題は早めに芽を摘むことが重要。
中国の悪徳業者、自己主張が強いですから@@@

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